新しいピラミッド型組織〜総集編〜
あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりまして、誠にありがとうございました。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
お正月恒例のニューイヤー駅伝を観戦中のアキバから、新年第一回目の本日は『 新しいピラミッド型組織 』の総集編をお送りいたします。
高度情報化社会となった現代において『より専門性の高い』『機能分離した』『フラットな』組織が理想的になって参りました。
深い専門性を持った者がネットワークで結ばれた形がフラットであり、それは単に社内のみならず、直面する課題に合わせて有機体的に集合・分散する組織を意味します。
さて、ところが『フラットな組織』には問題点もあります。
『共依存化』が進んでいる場合はなおさらですが、『責任』を誰が取るかという問題です。
株式会社アントレプレナーセンターの福島先生は、「上司は部下よりも、もっと難しい問題に挑戦する権利を持っている」っと教えてくれました。
そう、難しい問題に挑戦する権利=すなわち責任を取ることが出来るという事です。
ですから、例えフラットな組織であっても、業務分掌を明確化し、責任の所在と個々の社員やメンバーの業務領域を決めておく必要があります。
逆に言うと、個々の社員やメンバーの業務領域を明確化する事により、イレギュラーな業務による時間の消費が減少し、結果として業務スピードは早くなるという事です。
責任の所在を明確化すれば、決済権の所在も明確になり、結果として意思決定スピードは早くなります。
そうして出来上がった責任の所在=難しい意思決定をする権利による階層がピラミッド型となり、結果として従来と同じように見える『新しいピラミッド型組織』となります。
この『新しいピラミッド型組織』にも『管理職』は重要な役職です。
『意思決定』をする権利を階層としていますので、部下の行動管理が主要業務ではなく、組織における『意思決定』が『管理職』の主要業務となります。
従来のような『お金=売上、利益』や『行動』管理は、『フラットな組織』においては個々の社員やメンバーが自立して能動的に行う事が前提です。
『新しいピラミッド型組織』における管理は、『意・思』です。
他の社員やメンバーの意見や意識、思いがしっかりと経営理念に向かっていられるようにリードし続ける事が、『新しいピラミッド型組織』の管理です。
『管理』というと『指示・命令』による強制的なイメージがありますので、もしかすると『管理』という言葉は正しくないかも知れません。
ここで改めて『フラットな組織』と『新しいピラミッド型組織』を整理してみましょう。
『フラットな組織』
・その組織やチームならではの『本来の価値=存在価値+付加価値』をお客様に提供する事により、お客様にどのような貢献をしていきたいかを宣言する『経営理念』があり
・その『経営理念』に『共感・共鳴』した社員やメンバーが集まり
・その『経営理念』に基づいた『ミッション=使命』を遂行する為にそれぞれの社員やメンバーがどのように貢献出来るかを自発的に宣言し
・社員やメンバー同士はお互いに認め合い、信頼し合って
・お互いに支援し合いながら
・課題に応じて集まったり分散したりする事が出来る
・有機体的組織
『新しいピラミッド型組織』
・『フラットな組織』における意思決定を円滑に行うために
・より重要な課題に取り組む権利を持っている者=責任を取る事が出来る者を
・業務分掌により明確化し
・『意思決定』のスピードを早め
・組織内の『意・思』統一が図られた組織
先ほどは、社員やメンバーの『意・思』が経営理念からブレないようにリーディングする事が出来るリーダーが大切だという事でまとめました。
管理をするのではなく、リードする事が大切だという事です。
しかし、『経営理念』そのものを時代やトレンドに応じて変化させる事は、必ずしも間違いではありません。
そうなると、《『意・思』が経営理念からブレていないか》も《『経営理念』自体が全員の『意・思』からズレていないか》も共に正しくなります。
勿論、本質的なところから外れてしまうのは悪い事ですが、何も「一度決めたものは絶対変えてはならない」訳ではないでしょう。
大切なのは、『その組織やチームでなければ提供する事が出来ない』という部分です。
そこに『共感・共鳴』した社員やメンバーが集まっているのですから、『その組織やチームでなくても出来る』のであれば、他の組織やチームでも良い事になります。
他の組織やチームでも良いのであれば、比較する対象として『お金』か『居心地』といった部分が注目されるでしょう。
そうなると、「給料をあげろ!」「ボーナスをあげろ!」「もっと仕事をしやすい環境にしろ!」「あの会社はこんなに福利厚生が充実してるんだから、うちもそうしろ!」っといった声が自信のない社員からあがり、自信のある社員は給与・報酬・福利厚生の条件の良い会社に転職してしまうでしょう。
大切なのは、『その組織やチームでなければ提供する事が出来ない』という部分です。
そう、社員やメンバーの『意・思』=意見や意識、思いといったものをリーダーが集計して管理する事も『新しいピラミッド型組織』における管理なのです。
『フラットな組織』で成長した個々の社員やメンバーからの意見や意識・思いを、管理職であるリーダーが取りまとめ経営に活かす事により、個人も組織も共に成長する事が出来る『新しいピラミッド型組織』。
『新しいピラミッド型組織』における管理職者が管理すべきもの。
それは、社員やメンバーの『意・思』
『成長するピラミッド型組織』の誕生です。
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