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こんばんは、アキバです。


今日は国語のお話です。(ちょいと屁理屈かも知れませんが。。。)



みなさんはどのような『戦略』をもってお仕事をされていますか?




その『戦略』という言葉を紐解いてみましょう。



【戦略】

戦略とは、戦争もしくは政治活動や企業競争において勝つための長期的な計画です。


【戦】

戦とは、〔武器を持って戦う〕もしくは、〔勝敗を競う〕という意味です。


【略】

略とは、〔あらまし〕もしくは、〔はかりごと(謀)〕もしくは、〔かすめとる〕という意味です。

長期計画という意味で〔あらまし〕なら良いのですが、『戦略』の場合の『略』は、はかりごと(謀)という意味になります。


【謀(はかりごと)】

謀とは、物事がうまく運ぶように前もって考えた計画。または、人をだますための計略やたくらみという意味です。



単純につなぎ合わせるのはおかしいかも知れませんが、つなぎ合わせてみるとこんな感じになります。

《『戦略』とは、企業競争に勝つための長期計画であり、その長期計画とは勝敗を競って勝つための謀(はかりごと)であり、その謀とは物事がうまく運ぶように前もって考えた計画、または人をだますための計略やたくらみを意味しています。》




どうですか?


まず第一に、『戦略』とは《お客様のため》のものではなさそうですね。

次に、良く解釈すると《物事がうまく運ぶように前もって考えた長期計画》ですが、悪く解釈すると《人をだましてでも勝ち残るための長期計画もしくは、たくらみ》という事になります。



この『戦略』という言葉。

見た目が格好いいのか、響きがいいのか、実にいろんな使われ方をしています。


丸の内オアゾ・丸善の経営やマーケティングに関する棚に並んでいる本のタイトルを見てみると、マーケティングから人事、営業……etc.…《何かを取り決めておく事》が全て『戦略』と呼ばれるほど乱用されています。

戦うビジネスマンは、実に社内外様々なところで勝負しているんだなぁ〜っと感心する限りです。


しかし、最も大切な事は何でしょう。

お客様と勝負したり戦う事ではありませんし、社員と経営陣が勝負したり戦う事でもありませんし、競合他社と勝負したり戦う事でもないでしょう。


確かに『戦略』という言葉は、多くの場合、競合他社と勝負して、戦いに勝つために用いられています。

それでは、あなた自身が美味しいチョコレートを買う時に《競合他社と勝負したり戦う事を第一に考えている会社の商品》を選びますか?

あなたの大切なお子さんが毎日食べるお弁当のおかずやお菓子を《競合他社と勝負したり戦う事を第一に考えているお店》で買い続けますか?



仕事をする上で最も大切な事は、その人やその組織、そのチーム、その会社だからこそ提供する事が出来る商品やサービスの『本来の価値』を追求し続け、お客様に喜んでいただいたり、幸せな気分になっていただいたり、豊かな気持ちになっていただく事です。

《その人やその組織、そのチーム、その会社だからこそ》を追求する事が、結果として差別化につながるのです。



「それじゃあ何かい?アキバは『戦略』ってぇのを全部否定するって事かい?」

「いえいえ、そんな事はありません。『戦略』という言葉を捨ててみましょう!という事です。」



商品戦略にしろ、人事戦略にしろ、『戦略』とは《何かしらの取り決めの下に行動を起こした場合、将来的にどのようなリスク(+と−の両方のリスク)が想定されるのかを綿密にリスク計算し、計画立てて、その取り決め通りに実行する》事です。


何をするのか、どれにするのか、どのようにするのか、といった決断・決定を含む行動をひとまとめにして名前を付けたものが、《〇〇戦略》と呼ばれるものです。


ですから、格好をつけずに誰にでもわかりやすく説明しようとすると、すべて《何をするのか》という行動レベルに分解する事が出来ます。


経営理念の下にロジカル(論理的)に考えられた行動計画を策定し、その行動計画を実行したものと仮定してリスク計算をして検証する。
検証した結果が経営理念にマッチしたものであれば、その行動計画を実行すれば良いのです。



『戦略』という言葉が《お客様第一》ではなく、《競合他社に勝つための経営》を意識させてしまうくらいなら、いっそのこと『戦略』なんていう言葉は捨ててしまった方がいいのです。


戦うための言葉を格好よく使わなくても、お客様から選ばれる組織やチーム、会社になることは出来ます。


成果を生み出すのは行動ですから、むしろ社員やメンバーが誰でもわかりやすい行動計画の策定に注力した方が、結果的には早く成果にたどり着く事が出来るのです。

机上で『戦略』のお勉強をしている間は、成果は上がりません。


勿論、《〇〇戦略》といわれるものを容易に取り入れられるのであれば真似してみるのもいいですが、他の社員やメンバーが『戦略』という言葉から《競合他社に勝つためのもの》という先入観を持たないように、行動計画レベルに落とし込んでから使いましょう。


『差別化』についてのロジックは、まず『差別化』ありきではありません。

常に競合他社に勝とうと思って仕事をしていたり、常に他の社員やメンバーに勝とうと思って仕事をしていると、まず『差別化』ありきと考えがちです。

そして、ノウハウやテクニックとして《〇〇戦略》を勉強して成果を勝ち取ってやろうと思ってしまいます。

しかし、その人だからこそ、その組織やチームだからこそ提供する事が出来る『本来の価値』が抜け落ちていては、初めから勝負にすらなりません。

他の人や競合他社が提供する『本来の価値』をどんなに真似しても、そこに《あなたらしさ》や《その組織やチームらしさ》が『付加価値』として加わっていなければ、勝つか負けるか、たぶん勝てないでしょう。


っという事は、《あなたらしさ》や《その組織やチームらしさ》が『付加価値』として加わっていれば、そこには競合がいない事になるのです。


一生懸命考えるのは、売るためのテクニックやノウハウではなく、お客様に喜んでいただいたり、幸せな気持ちになっていただいたり、豊かな気持ちになっていただく事です。


『戦略』に困ったら、是非一度『戦略』という言葉を捨ててみましょう。


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