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こんばんは、アキバです。


だいぶ暖かい日が増えてきましたね。

春ですねぇ〜。




春といえば年度の始まり。

期末と期首といえば、経営計画、事業計画の策定シーズンですね。
(もっと早い時期にしっかりと策定されている会社さんもありますが。。。)




さて、みなさんの会社や組織では事業計画をどこから策定していますか?





比較的に多いのが『予算』でしょう。


来年度予算を全体で決めて各部門に落とし込み、各部門の予算を組んで個人別予算に落とし込み、それで………………


「終わり!」


なぁ〜んていう会社もあるでしょう。


少し進んで、個人別予算を達成するために《何をするべきか?》を考えて行動計画に落とし込む会社もあるでしょう。

最も簡単に言うと、《何を×何個売ったら=いくらの売上》ですから、具体的にどうやって《何を×何個売る》かを決めるのが、行動計画です。


マーケティングを加えて、提供する商品やサービス毎にターゲットを絞り込んで戦略的な行動計画を策定している会社もあるでしょう。


いずれにしても、より具体的な行動計画は社員やメンバーひとり一人の個人別計画にまで落とし込む事が理想でしょう。

個人別まで作るのが大変であっても、セクション毎の行動計画は必須です。


セクション毎にしても、個人別にしても、具体的な行動計画を考える場合には《バラバラになって》考えますよね。


会社や組織全体をバラバラにしてセクションに分けて、セクションをバラバラにして個人別に分けて、それぞれバラバラになった状態でバラバラに考えます。


売上予算を達成するために、《どのようにして》何を×何個売るかをバラバラに決める事になりますね。


それを持ち寄って、一体にまとめ上げれば、会社全体の予算組と行動計画をまとめた事業計画書が完成します。


っと簡単にいきたいところですが、そうは問屋が卸しません。


あっそうそう、「事業計画書は問屋さんで売ってませんから、ちゃんと作って下さいね。」っという意味も後ほど盛り込みますよ。






話が少しばかり飛びますが、先日ある金型メーカーさんで、こんなお話を聞きました。


「複雑な金型の図面にはパーツが組まれた状態のアッシー図とバラバラにした部品図があって、アッシー図を基に部品図を3D‐CADで設計していくと、最終的にバラバラで設計した部品図を、改めてアッシー図に組み直して設計者以外の誰かに確認してもらわないと、思わぬミスを見過ごしてしまう事があるんです。」



なるほどそうですね。

どんな仕事でも本人は完璧だと思って完成したつもりになってしまいますから、「ミスを見過ごさない」(すみませんオヤジのダジャレじゃないですよ)ためには、第三者の目が有効でしょう。



しかし、それ以外にも大切な事があります。


アッシー図の状態のモノは《何のため》のモノなのかを、チェックする第三者も設計者も十分に理解しておく事が大切なのです。


バラバラの部品が組上がったモノは、《何のため》のモノなのかを理解して確認する事により、チェックの精度も上がりますし、設計者が気がつかなかった改善ポイントに気づく事もあるのです。


さぁ、それでは今のお話を事業計画策定に置き換えてみましょう。


個人別やセクション毎の行動計画では、売上予算を達成するために、《どのようにして》何を×何個売るかをバラバラに決めますよね。


会社や組織全体が《何のため》に事業を営んでいるのかを共有していなければ、《どのようにして》の部分は何をしても良い事になります。

《何のため》の部分が『お金基準の価値観』によって売上至上主義、利益の向上と規模の拡大となっていれば、《どのようにして》の部分は《より早く売り、より多く売り、より広く売り、より高く売る》方法であれば良い事になります。


《何のため》の部分が『本来の価値観』によって商品やサービスの『存在価値』+『付加価値』を追求し、お客様に喜んでいただきたいという事であれば、《どんなお客様》に対して《どの商品やサービス》を《どのように》提供して《どんな気持ち》になっていただきたいか?《お客様がどんな気持ち》になるのであれば《いくらで売れそうか》、《その想定される売上》で事業を継続し続けられるか?といった事まで統一されている必要性があります。


あれれ?「『本来の価値観』だと面倒くさいだけじゃん!」なぁ〜んて思ってませんか?




「『お金基準の価値観』の方が手っ取り早く儲けられるからいいじゃん!」と思われた方、

正解です。




ただし、

《社員やメンバーひとり一人が『心・気持ち・情熱』を込めてお客様のために仕事をし続けられるのであれば》

っという前提条件付きです。




『お金基準の価値観』だけでは、お客様に偽物を売りつけても、中途半端なモノを売りつけても、良いか悪いかの判断は個々の社員やメンバーに委ねられるからです。

そして、もし偽物や中途半端なモノを売りつけてクレームになった場合、依存型ぶら下がり社員がいれば必ず他の社員やメンバーに責任を押し付けます。

また、成績の良い社員やメンバーから見ると、成績の悪い社員やメンバーが給料やボーナスをもらっていることに不満を感じるようになり、結果として組織力が発揮できない上に、組織としてまとまっている理由すらなくなってきてしまうのです。


それを管理職者が権力を持って統治しようとして、部下ひとり一人の行動計画に対して

「結果はどうなんだ!」

「なんで決めた通りに出来ないんだ!」

「言われた事ぐらいやってくれよ!」

っと、余計なパワーを消費して、せっかくバリバリ仕事が出来る筈のベテラン社員が部下の行動管理人に成り下がってしまう事だってあるんです。



ですから、会社や組織全体が《何のため》に事業を営むのかを司る『経営理念』が大切であり、『本来の価値観』による『経営理念』を組織全体に浸透させる事によって、バラバラになっても向かうべき方向性を合わせておく必要性があるのです。


実際に『経営理念』を組織全体に浸透させてしまえば、《何のため》の部分が『本来の価値観』によって商品やサービスの『存在価値』+『付加価値』を追求し、お客様に喜んでいただきたいという事で統一されます。


すると社員やメンバーひとり一人をバラバラにしても、《どんなお客様》に対して《どの商品やサービス》を《どのように》提供して《どんな気持ち》になっていただきたいか?《お客様がどんな気持ち》になるのであれば《いくらで売れそうか》、《その想定される売上》で事業を継続し続けられるか?といった事まで、社員やメンバーひとり一人が考えるようになります。


社員やメンバーひとり一人が自立して相互支援しながら、組織力を活かす事が出来るようになるのです。




それは何故か?




社員やメンバーひとり一人も、経営者も、組織全体も、大きなチャンクではやりたい事が同じになるからです。


やりたい事が統一されていれば、成績の良い者に高い報酬を与え、成績が悪いものは報酬が低くなったとしても納得しますし、お互いに協力していこうと思うでしょう。


ですから、『本来の価値観』による『経営理念』が大切なのです。





ここまでくれば、「事業計画書は問屋さんで売ってませんから、ちゃんと作って下さいね。」っという意味にもお気づきでしょう。


数字の羅列だけの事業計画書・経営計画書であれば、フォームを見やすくするだけですから、本屋さんで売っているようなものでも会計事務所がサービスで作ってくれるものでもいいでしょう。


しかし、『本来の価値観』による《お客様に対してその会社や組織ならではの商品やサービスを提供し続けたい》という意思表明である『経営理念』は、どこにも売っていないからです。


他社の『経営理念』をパクっていたら、社員やメンバーは自社で働いても他社で働いてもどちらでも良くなってしまいます。

どちらでも良ければ、その他の条件(給与・賞与・福利厚生・経営者のカリスマ性・立地・美男美女揃いなどなど)に目が向きます。


特に経営状態が悪化してくれば、なおさら安全な方に移りたくなるでしょう。





事業計画策定の順序。

それは、まず『経営理念』から。


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