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こんばんは、経営理念コンサルタントのアキバです。


今夜は一昨日の終わりに触れました『矛盾』について考えてみましょう。


『矛盾』と言って真っ先に思い付くのは、最近では政治家の先生方かも知れません。


何故かと申しますと、マニフェストという「言葉」が中身に先行して流行ってしまったため、肝心の中身が完遂されない事ばかり目立つようになったからです。


しかも、政治家の先生方の発言と報道するマスコミによって、心理学の交流分析におけるPACのFC=お子ちゃまな発言ばかり目立たせられてしまっています。


相手の発言に対して「ダメ出し」ばかりしていても、先には進みませんよね。


我々国民から、「国民の代表として会議を開き、我々の安心・安全な未来のために話し合ってくれて『ありがとう』」っという対価の『お金』をもらって話し合い、決定する仕事が政治家です。


いつも使わせていただいている、感動プロデューサー平野秀典様の『感動の方程式TM』に当てはめると、政治家に対する国民からの期待と実感の関係が

期待>実感=不満

もしくは

期待>>実感=怒り


になってしまっているのでしょう。


政治家の先生方は直接ではなく、税金という形で集まった『ありがとう』の対価である『お金』を間接的に受け取っていますから気がつかないかも知れませんが、支持率や投票率を見ればわかっていただける筈です。



さてさて、それでは『経営』のお話に戻しましょう。


『矛盾』とは物事の道理が一貫していない事や、つじつまが合わない事を指します。


会社や組織において最も多く発生している『矛盾』は、《有言不実行》でしょう。


経営計画書には載せたけどやっていない事、会議では「やる」って決めたけどやっていない事、上司には「やる」って言ったけどやっていない事、上司として「やれ」とは言ったものの自分ではやっていない事などなど、《有言不実行》な事って結構たくさんありますよ。たぶん。



私のメンターの一人である株式会社 アントレプレナーセンターの福島先生の講演の中で、面白い話があります。


学校の先生A
「ちゃんと真面目に勉強しなさい!」

生徒B
 頭の中で《…そっかぁ、ちゃんと真面目に勉強すると先生Aみたいになっちゃうのかぁ……》



学校の先生Aとしては、ちゃんと給料もらって仕事してるんだから、しっかりと《指導》しているつもりなのですが、生徒Bから見れば《尊敬出来ない大人》だったという事です。

あっ、ちょっと曲がって伝わってしまうと福島先生に申し訳ないので補足ですが、その先生は普段から笑顔もなく怒ってばっかりなので、生徒Bから見たときに《夢》を感じさせない存在だったという事です。


みなさんは《尊敬出来ない人》から『指示・命令・指導』されたら、どうですか?

大人は世間体や『序列の価値観』によって、自分より格上だと認める人の意見には従うかも知れません。

では、子供達ならどうですか?

あなた自身の『脳幹』の反応としてはどうですか?


相当悟りの境地に近づいていない限り、《尊敬出来ない人》から『指示・命令・指導』されたら、それに従う事に『矛盾』を感じる筈です。


相当悟りの境地に近づいていれば、「いまここでそのような事を言われるのは、私にとって不足しているものを補うチャンスかも知れない。」なぁ〜んて謙虚に『指示・命令・指導』に従う事もあるかも知れませんが、普通に考えれば何かしら『腑に落ちない』部分を感じるでしょう。


上司から部下、親から子供、先生から生徒に対する『指示・命令・指導』には、常にそういった『矛盾』しやすい部分がある事を覚えておかなければなりません。


そういった意味では、役職者が「上に立つ者」と表現されるのは、「本来、人間的にもとても素晴らしい人だからこそ昇進するべきだ。」という事を意味しているのでしょう。


いずれにしても、職業として《先生》と呼ばれる人(税理士、会計士、弁護士など士業の方々や、代議士、医者、教師、インストラクター、コンサルタントetc.)で、お客様に『指導』する立場の方々は要注意です。


尊敬出来ない指導者の存在自体が『腑に落ちない』事となり、『矛盾』してしまいますからね。
普段の身だしなみや礼儀作法にも、くれぐれも気をつけましょう。



「お客様のために……」っと宣伝しながら、「客の囲い込み戦略を考えろ!」とか「利益を上げるためには多少品質が落ちてもしかたない。」とか「客にNoと言わせない応酬話法」といった事を同時にやっている会社が、世の中にどれだけたくさんあるでしょうか?

そんな会社も『矛盾』しています。
お客様に対して言っている事と実際に言ったりやったりしている事が違う訳ですから、その『矛盾』は社会的責任に及ぶ場合もあるでしょう。



すべてを一番大きなチャンク(塊や分類)で診たときに、『矛盾』があってはいけないのです。


帳簿上だけで診ればコスト削減策が有効な手段でも、お客様により良い商品を提供して利益をいただくためには、原材料費や開発費などのコストアップが必要なケースは当たり前のように考えられるでしょう。


社内で経営計画を策定する際にも、外部からコンサルテーションを受けるにも、一番大きなチャンクで診て『矛盾』がないかチェックしましょう。

よくありがちな誤りは、いろんな人から聞いて、いろんな本から学び、いろんな学者の理論を持ち出して、ごった煮状態の経営を実践してしまう事です。

ど真ん中に一本、明確な軸があってこその理論であり、理論と行動計画のパッケージ(一般的には戦略)です。

バラバラに持ち寄れば、『矛盾』が生じやすくなるのは当然ですね。


また、外部の専門の先生からコンサルテーションを受ける際にも、まず初めに一番大きなチャンクでの方向性を伝えてから本題に入りましょう。

人は自分の得意な話ばかりをしたがるものです。

自分のフィールドである得意分野にフォーカスして、大して重要ではない事を延々と話し込まれたり、経営全体の方針にそぐわないテクニックを自慢気に勧められてしまうなんて事は、意外に多く見受けられます。

お客様から『ありがとう』の対価としていただいた『お金』ですから、外部の専門家に依頼する際にはくれぐれも無駄にならないように気をつけましょう。

『お金』が無駄になるという事は、お客様からの『ありがとう』を間接的に無駄にしているのと同じ事です。



そんな『矛盾』が生じないようにするためには、コンセプトと設計図が必要です。


それが経営における一番大きなチャンクである、『経営理念』と『経営理念』に基づいた『経営計画』です。


迷った時にはマインドマップを使いましょう。

Buzan's iMindMap日本語版スタンダード・エディション
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一番大きなチャンク=『経営理念』をスタートとして、チャンクを崩してツリー状につなげて行きましょう。


「しっくりこないもの」や「腑に落ちないもの」は、マインドマップに落とし込むと浮かび上がってきますよ。



『矛盾』をチェックし、発見して改善する事。

予め『矛盾』が生じないように組み立てる癖をつける事。

それらを間違いなく実践するためのチャンクとマインドマップ。



そこで、久しぶりに一句

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『矛盾』なく

道理に合った

計画で

共に目指そう

明るい未来


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お後がよろしいようで。



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