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こんばんは、経営理念コンサルタントのアキバです。


今夜は《安物買いの銭失い〜本編の巻き・其の弐〜》をお送りします。



自分が儲ける事とお客様が喜ぶ事が『矛盾』すると思っていらっしゃる方のほとんどは、『お金基準の価値観』が強くなっている方々です。


最近の日本人は、子供の頃から他人と比較され「平均よりも上になりなさい!」という指導を学校や塾や親から受けながら、他人に勝って、受験戦争に勝って、とにかく『勝ち負け』の価値基準を強く刷り込まれ、大人になるにつれて「お金持ちは勝ち組だ!」「恋人がいたり、結婚してれば勝ち組だ!」といった【他者比較】を基準とした価値観を押し付けられて育ちます。

そんな社会が生み出したのが『お金基準の価値観』と『序列の価値観』です。


人と人とを比べる【他者比較】には、誰にでもわかる客観的な基準が必要です。


その客観的な基準が『お金』や『地位』、『学歴』といったランキングで表せるものでした。


戦後の日本人は頑張って美味しいものを食べようとか、頑張って車を買おうとか、頑張ってカラーテレビを買おうとか、頑張ってマイホームを手に入れようという思いで、自分自身を成長させる指標として『お金=所得』や『地位・役職』、それに繋がる『学歴』などを見てきたものだと思います。


しかし、それはいつしか一般的な指標として捉えられるようになり、あたかも子供達の『目標』であるかのように“大人達”が思い込んでしまうようになりました。


《みんながそうだから》とか《みんなそうしてるよ》とか《一般的》という言葉に強く促される“日本人気質”がそうさせたのか、戦後の苦しい時代を共に頑張り抜いた日本人だからこそ「自分達と同じような辛い目に合わせたくない。」という気持ちからそうさせたのか。

もしかすると後者が先で、同じ『目標』(=『お金』『地位』『学歴』など)を『目的』を教えられる事も自ら気づく余裕も無いままに押し付けられた結果として、《みんながそうだから》とか《みんなそうしてるよ》とか《一般的》という言葉に強く促される“日本人気質”に繋がったのかも知れません。

私が心理関係を教えていただいている心理カウンセラーの先生は「日本人は『共依存』の傾向を持っている人がたくさんいるの。」おっしゃっていました。


人生の『目的』を考える間もなく、他人と比較され、みんな同じ『目標』に向かって進まされて育てば、大人になって自分が教える立場になった時に同じ事をするしかないでしょう。

それしか知らないんですから。

そんな大人はどうやって子供達に教えると思いますか?

同じように「ああしなさい!」「こうしなさい!」って言うんです。

しかも「何のため?」って子供に聞かれると、「いい学校に入って、一流の会社に入った方が幸せだからよ。」なぁ〜んて。

本当は「一流の会社に入り込めば儲かるから、金持ちになって幸せになれる。」って思いながら、本来の『目標』を『目的』とすり替えてしまうのです。

【他者比較】から【他者コントロール】に変わってしまうのです。

何か問題が発生した時に「ああしなさい」「こうしなさい」って言って、出来なければ子供の代わりに親がやってしまったりするのは、典型的な『共依存』です。

日本人が『共依存』の傾向が強くなって来ているのは、そんな生まれ育った環境〔本当はひとり一人の考動〕から来るものなのでしょう。


そうこうして日本人には『序列の価値観』(『地位』や『学歴』などで人を上下に見る)と『お金基準の価値観』(モノの価値はすべてお金、お金がなければ何でも買える等)が根付いてしまったと考えられます。


自分が儲ける事とお客様が喜ぶ事が『矛盾』すると思っていらっしゃる方のほとんどは、『お金基準の価値観』が強くなっている方々です。


自分達は儲けたい〔少しでも高く売りたい〕ですし、お客様は安ければ喜ぶ〔少しでも安く買いたい〕といった、真逆のベクトルが発生するのです。

真逆のベクトルを『矛盾』しないと思う方がいらっしゃいますか?

いないでしょ。


自分達が儲かる〔高く売る〕事とお客様が喜ぶ〔安く売る〕事を実現するために、【高く見せられるモノを安く作って売る=利益率が高いから儲かる】事に注力するようになります。

【高く見せられるモノを安く作って売る=利益率が高いから儲かる】事が行き過ぎると、多少残っていた『本来の価値観』も麻痺してしまい、モノの価値を度外視した【偽装】に繋がるのです。

偽装がないにしても、安易なコストダウンは“質”の低下を助長しますよね。

相当な努力がない限り“物”でも“情報”でも、安い材料で大量生産されたモノに高い品質は望めないでしょう。

『本来の価値観』の下で庶民の方々にもお楽しみいただけるように安く提供しようと、『心・気持ち・情熱』を込めて、「これでもか〜、これでもか。これでもか〜、これでもか。」っと努力したからこそ、安くても本当に良いモノを提供する事が出来るのです。

安直に努力もしないで儲けようなんて虫のいい話はありませんよ。

買う側にしたって、それなりの原材料を使っていれば、それなりの値段になるのは当然だという事を忘れてはいけません。
それなりの原材料を使って丁寧に仕上げたものを安く買い叩くと、それを提供してくれた方々はお仕事を続けられなくなってしまいます。

結果として良い品質のものを手に入れる事が出来なくなってしまうのです。

『お金基準の価値観』だけの【価格競争】は、結果的に売る側にも買う側にもダメージを与えます。


そんなダメージを与えたり受けたりしないために必要なのが、

『本来の価値観』です。

長く引っ張ってしまいまして、誠に申し訳ございません。

それでは次回、いよいよ『本来の価値観』によって「安物買いの銭失い」にならない方法(別にノウハウやスキルではないのですが‥‥‥)に入って行きましょう。


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