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こんばんは、経営理念コンサルタントのアキバです。


先日、ジャズシンガーの綾戸智恵さんが、こんな事をおっしゃってました。


「溺れてる時に悩むか?」

「ただ行くやろ!陸はあそこかあ〜って!」

「だから、悩んだり、考えたりしてる間はまだ余裕があるんや!」


私には、目の覚めるようなお話でした。


なるほど、人間はすぐに格好良く見せようとしたり、やってもいないくせに「失敗したらどうしょう?」と考えたり、やってもいないくせに「それじゃ成功しない、これでも成功出来ない」と悩んだりしてしまうんですねぇ。

勿論、みんながみんなそうではありませんが、やはり『心・気持ち・情熱』を集中させ続ける事はなかなか難しいようです。


綾戸智絵さんのおっしゃっていた言葉をビジネスに置き換える場合のキーワードは、

「ただ行くやろ!陸はあそこかあ〜って!」

という部分でしょう。


どれだけ泳げば「あそこ」に辿り着けるのか見えているから頑張って泳げるのです。

「あそこ」に陸が見えていなければ、空気がある上に向かってバシャバシャと暴れるしかありません。

仮に泳ぎが上手な人だとしても、陸が「あそこ」にあるのが見えなければ、体力を温存してプカプカ浮かびながら助けを待つしかないでしょう。



それでは、ビジネスにおける「あそこ」とは何でしょう。


『「あそこ」に陸があるから『お金』かなぁ?』っと思われる方や、「アキバが言ってるんだからいつものアレだろ?」っと思われる方や、「なんだかわからないよ〜」っとおっしゃる方など、いろいろな方々がいらっしゃると思います。



今日はちょっと角度を変えて考えてみましょう。


「溺れてる時に悩むか?」

っというのが、ヒントです。



溺れて必死な状況なら、考えたり悩んだりせずに、生きようとしますよね。

生きるために必要なのは「空気」です。

泳げない人や溺れている人は、「空気」を吸ったり吐いたりし続けるために、何とかして頭を上に上げようとします。


陸が「あそこ」に見えてくれば、「あそこ」を目指して必死に泳ごうとします。

でも、「あそこ」は陸であって「空気」の塊ではありません。

「あそこ」に辿り着けば、思う存分「空気」を吸ったり吐いたりし続ける事が出来ますが、「空気」そのものではありません。



さぁて、そろそろお気づきですね。


ビジネスにおける「空気」が『お金』です。

利益が出ている(出ていた)会社でも、いま使う『お金』が無くなると「黒字倒産」してしまいます。

タンクとレギュレータをどんどん渡してあげても、辿り着くべき「あそこ」に向かっていなければ、いずれ疲れ果てて溺れてしまうでしょう。


そう、ビジネスにおける「あそこ」とは、向かうべき場所や方向性を示すものです。

「アキバが言ってるんだからいつものアレだろ?」っと思われた方、おめでとうございます、当たりです。


ビジネスにおける「あそこ」とは『事業目的』であり、一番大きなチャンクでいうと『経営理念』です。

「どんなお客様に対して、その組織やチームだからこそ提供し続ける事が出来る商品やサービスの『本来の価値』を提供し続ける事によって、そのお客様にどんな風に喜んでいただきたいのか?」をまとめて、誰が聞いてもわかりやすいように宣言するものが『経営理念』です。

その『経営理念』に『共感・共鳴』して、一生懸命努力するからこそ、お客様から『ありがとう』の対価として『お金』をいただく事が出来るのです。

勿論、一番大きなチャンクの『経営理念』が完全に達成出来なければ『お金』をいただけない訳ではございません。

『経営理念』をひとつ一つの『事業目的』に細分化し、それぞれの『事業目的』に対する長期計画、中期計画、年度計画、半期計画、四半期計画、単月計画、週時計画と、一番大きな安定した陸へ辿り着くための中継地点となる小島を『目標』として設定する事により、『空気』を吸いながら『目的地』である「あそこ」にどれだけ近づけたのかを確認するのです。

その中継地点である小島をしっかりと決めておくのが、経営計画です。


「あそこ」が決まっていないのに、とりあえず「儲けたい!」からといって『金儲け』に走っても、確かに「空気」を吸ったり吐いたりする事は出来ますが、ずーっと泳いでいなければなりません。

体力が無くなると沈んでしまいます。


最大の『目的地』である『経営理念』=「あそこ」に辿り着くためには、一生懸命努力する事=一生懸命泳ぐ事が大切です。


泳がないで「悩んだり、考えたりしてる間はまだ余裕があるんや!」っという事です。



中には割と短期間で「あそこ」まで辿り着いてしまう方もいらっしゃるでしょう。


新しいビジネスモデルを考えて、そのビジネスが大成功して巨万の富を得た方々は、確かにいらっしゃいます。

《仕事は5年で辞めなさい。》という本を出版されていらっしゃるタリーズの松田公太様のような方もいらっしゃいます。

仕事は5年でやめなさい。


松田公太 様



でも、彼らにしても何の努力もせずに、そこまで辿り着いたのではありません。

ラッキーや才能もあるでしょうが、ちゃ〜んとお客様から喜ばれる事に大成功してるんです。

お客様から『ありがたい』と思われ続けなければ、その対価である『お金』をいただき続ける事は出来ません。

お客様から『ありがたい』と思い続けていただけるようになれば、事業自体は後継者に任せて株主として配当で『お金』をもらい続ける事も出来るでしょう。


ですから、儲け続けたければ、「あそこ」をちゃ〜んと決めて、「あそこ」に向かって「これでもかぁ〜、これでもか。これでもかぁ〜、これでもか。」っと努力し続ける事が大切なのです。


こんなに素晴らしい事に気づかせていただいた、綾戸智絵さんには本当に感謝いたします。

ありがとうございます。

もし綾戸智絵さんがお許しいただけるのであれば、《アキバの綾戸智絵さん理論》として煮詰めていきたいくらいです。

(それまでは《アキバの「あそこ」理論》としておきます。)

本当にありがとうございます。




ですが、この世の中の『お金』には、もう一つの側面があります。

それは「投機資金」です。


『お金』をたくさん持っている人が「投機」や「投資」によって、さらに『お金』を増やしています。


私も「投資」もギャンブルもしますから、「投資」や「投機」やギャンブルが全て悪いなんて事は申しません。

過度な「投機」によって巨万の富をさらに増大させようとすると、末端の人々に『お金』が回らなくなってしまうという事を危惧しているのです。

いまの御時世、努力して働いても収入は伸び悩み、そんな中、物価は鰻登りの様相です。

一般の人々から見れば、平穏な湾内のきれいな海ではなく、辿り着くべき「あそこ」を確認する事すら難しい荒波に揉まれていると言えるでしょう。

荒波を乗り越えて泳ぎ続けるには、たくさんの「空気」が必要です。

ですが、過度な「投機」によって海は荒れ、「空気」は薄くなっているようです。


人間は自然界から「空気」(に含まれる酸素)を吸わせていただいて、生きています。

水も食べ物も、自然界から恵んでいただいて生きています。

その自然界はいま、本当の危機に直面しているんです。


そんな状況を逆手にとって、CO2排出権を売買したり、先物相場のある穀物から代替エネルギーを作る事にして儲けようとしたりする事は、自然界に対して「ちゃ〜んと環境対策やってますよ〜」っと偽装しているようなものです。


環境対策も一番大きなチャンクである《地球全体を守る事》のために、『矛盾』しない方法を実践しましょう。


人と人とは支え合って生きていますし、自然界からたくさんの恵みを受けて生きています。


過度な「投機」によって人々が暮らしにくくならないように、自分が楽しく生きるために必要な『お金』以上に『お金』が集まってきたら、ぜひ自然界や恵まれない人々のために愛の手を差し伸べていただければと思います。


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本当は、そんなこと言ってないで自分で寄付できるようになるのが一番いいんですけどねぇ〜。

頑張ります。


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