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こんばんは、経営理念コンサルタントでリスクマネジメント協会 Certified Risk Manager のアキバです。


アキバのプチコンサルシリーズ、1回目の今日は、スーパーの生鮮売り場における陳列棚と購買意欲の関係について、お伝えいたします。


一般的にスーパーの生鮮売り場における陳列棚にはミラーリング効果が施されていますよねぇ。


棚の奥の壁面や上部に鏡を付けて、商品を映り込ませる効果の事です。


この効果は『棚にある商品が少なくなっても、鏡に映った商品によってたくさんあるように見える』事から、《消費者の購買意欲が増す》と説明される事が一般的です。


しかし、本当に《消費者の購買意欲が増す》のでしょうか?


消費者は《不足しているもの》を買いに来るのが大前提です。

次に購入するのは《あってもいいもの》です。


日々の食料である生鮮食料品は、どちらかというと《不足しているもの》のウェイトが非常に多い商品群でしょう。


生鮮売り場の商品群は、どちらかというと「足りないから買おう」という氣持ちで品定めしている商品群です。


「今日は魚が食べたいなぁ〜」とか「今晩は麻婆豆腐にしよう」とか、予め決めている場合も多いですから、《消費者の購買意欲が増す》という表現よりも《消費者の不安心理が和らぐ》と言った方が近いでしょう。


「鮮度」が品定めの基準の一つとなる生鮮食料品が、少ししか陳列されていなければ「売れ残り」として認識されやすいでしょう。

「売れ残り」だという認識から「鮮度が落ちている」事が連想され、心理的に買い控えてしまうのです。

生鮮売り場において《消費者の購買意欲が増す》のは、凄く簡単に言うと「美味そうな事」と「安い事」です。

そこに、さらに「健康に良い」とか「美容に良い」とか「珍しい」といった付加価値が加わります。

フェイスを広く(棚に並べる量を多く・陳列の幅を広く)取ることは、商品を目立たせる事にはつながりますが、《消費者の購買意欲が増す》と勘違いしてはいけません。

売れない商品のフェイスを広く取ることは、そのまま機会損失につながります。

逆に、売れている商品がミラーリング効果によって、「たくさん並んでいるから大丈夫」っと品出しのアルバイトの子が思ってしまい、追加の品出しをしなければ、それも機会損失につながります。


このように売る側の立場から見て《消費者の購買意欲が増す》と教えられている事の中には、買う側から見れば《消費者の不安心理が和らぐ》という、プラスリスクを求めるのではなくマイナスリスクを回避する行動につながっているものもあるのです。


本当にお客様のためになる仕事をお考えであれば、普段当たり前だと思っている事も、もう一度見直してみましょう。



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