コミュニケーションとコントロール
こんばんは、経営理念コンサルタントのアキバです。昨日の朝、テレビ東京のモーニングサテライトで「部下の扱いは馬から学べ」という特集が組まれていました。
なんでも、「上司にとって部下とのコミュニケーションというのは重要なので、管理職向けの研修に馬の調教を取り入れる企業が増えている。」との事だそうです。
勿論、アメリカのお話なんですが。。。。。
上司と部下のコミュニケーションを改善するのに、なんで“馬”で“調教”なんでしょう?
朝からすごく気になる内容でした。
人間と違い、強い言葉や態度で無理に動かそうと思っても、馬は動いてくれません。
その部分では多少「なるほどね。」っと思うところもありましたが、後半に「やっぱり、そうきたか。」っとがっかりする結果が待っていました。
「うまくコントロールするには、にんじん(=報酬)を上手く使う事ね。」っと、テロップが流れました。
今回の金融大恐慌において、あれだけ『お金基準の価値観』と契約社会で痛い目に遇っておきながら、『お金』です。
しかも、上司と部下のコミュニケーションが大事だと言っておきながら、教えている事はコントロールです。
私自身もバブル直後の1991年に証券会社に入社しましたので、よく「鼻の前ににんじんぶら下げて走らせる。」ってな事を言われてました。
しかし、馬はにんじんをぶら下げても早く走れるようになりませんし、人間は『お金』だけでは動かないのです。
あなたは“どう考えても人間性が疑わしい”上司から「やったらやっただけ金やるから、ガンバレ。」っと激励された場合、本氣で『心・氣持ち・情熱』を込めて仕事に打ち込む事が出来ますか?
確かに『お金』のために今は頑張らなきゃいけない方々もいらっしゃるでしょう。
ですが、本氣で『心・氣持ち・情熱』を込めて仕事に打ち込む事が出来ますか?
人は『心・氣持ち・情熱』からモチベーションが沸き上がり、積極的・自発的・能動的な行動へとつながります。
・コミュニケーション=意思や感情、思考の伝達
・コントロール=統制・管理・制御
・コーオペレーション=協力
・コラボレーション=共同・協力
『お金基準の価値観』で従う者を契約して、『お金』をコントロールする事により、従う者の行動をコントロールしようと思うと、強い組織にはなれません。
部下をコントロールしようとすればするほど、上司としてやらなくてはならない仕事は増え続け、重要な意思決定のための時間がどんどん失われます。
なぜなら、『お金』だけでコントロールしようとしても、大半は受動的な行動にしかつながらないため、結果として「言われなきゃ出来ないのか!」タイプの部下や「言われたこともろくに出来ないのか!!」タイプの部下が増えてしまうからです。
受動的な行動という事は、いちいち指示・命令をしなければなりません。
そうして、部下の行動管理と売上管理しかやらない、管理職ならぬ“管理人”上司が生まれてしまうのです。
(あっ、馬だけに“生ま”れてなんて事じゃないですよ(-。-;))
仮に、もし運良く、積極的・自発的・能動的に行動する部下ばかりだったとしても、にんじん=報酬金額をどんどん吊り上げていかないといけなくなってしまいますし、組織の全体適正を考えない部下が増えてしまう可能性が高まるでしょう。
勿論、“金の切れ目が縁の切れ目”となりますので、有能な社員ほど転職リスクが高まります。
ひとり一人の社員やメンバーの『意・志』が、経営者をはじめとした上司の『意・志』とちゃんと同調出来るように管理するのが、21世紀型の管理職だと思います。
それはオーケストラにおける調律師のように、様々な楽器の演奏家ひとり一人がコーオペレーション(協力)しあい、様々な楽器の個性がコラボレーション(共同)した時に、素晴らしいハーモニーを奏でる事が出来るように、チューニングをする役割に似ています。
社員やメンバーひとり一人コーオペレーション(協力)しあい、社員やメンバーひとり一人の個性がコラボレーション(共同)した時に、素晴らしい組織力を発揮する事が出来るように、『意・志』をチューニングをするのです。
勿論、チューニングをするためには“基となる音”が必要ですよね。
楽器の場合には音叉(おんさ)やチューナー、もしくは予め調律されたピアノやバンドマスターの音が“基となる音”です。
企業組織における“基となる音”、それは『経営理念』です。
社員やメンバーひとり一人の『意・志』が『経営理念』と同調出来ていれば、ひとり一人がそれぞれ自分らしい個性をフルに発揮し、お互いに支援しあう事が出来るでしょう。
『意・志』をチューニングしてベクトルのぴったり合った組織を目指すために、わかりやすく揺るぎない『経営理念』を持ちましょう。
そして、重要な意思決定をする必要がある人ほど、しっかりと『経営理念』を心に刻み、経営における“絶対音感”を持ちましょう。
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