2009年05月26日
怒りで組織を統治出来るか?〜前編〜
夏の暑さから徐々に湿度が増してきて、梅雨の気配を感じる今日この頃。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
こんばんは、経営理念コンサルタントでリスクマネジメント協会 Certified Risk
Manager の秋葉です。
今夜は
「怒りで組織を統治出来るか?」
っと題しまして、トップダウン型の組織について考えてみたいと思います。
トップダウン型の組織では、トップの指示・命令が最重要意思決定要因となります。
よって、組織内の権限委譲には逆のベクトルが働きます。
発生頻度の高いリスクのうち、約8割はヒューマンエラーだと言われていますから、すべてトップの指示・命令通りに上手くいく確率は0%に近く、トップの指示・命令通りにはいかない事が発生する可能性は100%に近いと言えるでしょう。
トップの指示・命令通りに業務を遂行する事が出来る可能性が高いのは、指示・命令の内容=要求される業務が簡単な下層階級従業員であり、トップの指示・命令通りに業務を遂行する事が出来ない可能性が高いのは、指示・命令の内容=要求される業務が難しい上層階級従業員という構図が自然と見えてきます。
トップは、より期待をしている上層階級従業員が自分の指示・命令通りに動かない事の“理由”がわかりません。
トップは、あまり期待をしていない下層階級従業員が自分の指示・命令以上の働きを見せてくれる事を嬉しく思います。
すると、指示・命令通りに動かない上層階級従業員に対して
「いったい、何を考えているのか“わからない”!」
っという思いから、
「わからない」
↓
「不安」
↓
「脅威」
↓
「逃避」
↓
「攻撃」
という『アキバの動物からカリマス(借ります)理論』の連鎖反応が無意識に起こり、「逃避」する事が不可能なトップとしては、「攻撃」をしなければ気持ちが収まらなくなってしまいます。
まぁ、そこまでは「怒り≒攻撃」発生のメカニズムとして置いておきましょう。
問題は《怒りで組織を統治出来るか?》ですから、統治される側の問題です。
人は自分自身の“何のため?”に対して、“どんな方法”を“やるか?やらないか?”とし、“いつまでに?どれだけ?”を定めて行動します。
言い換えますと、人は“目的”に対して“戦術”を組み合わせて“戦略”とし、“目標”を定めて行動します。
“怒り”による統治はとても原始的で、しばしば個人の意思決定における“目的”の部分に多大な影響を与えてしまいます。
それは、“目的”=“何のため?”=「怒られないため」というエラーです。
「怒られないため」という“目的”が発生し始めると、意思決定における選択肢は「指示・命令に従う」というように、とても限定的になりますので、表面的に従業員は業務に集中しやすくなります。
しかし、裏側で起こっている現実は、
“目的1”=楽しい個人ライフを送るため
“目的2”=お金のため
“目的3”=怒られないため
と“目的”が複数に分離します。
“目的2”は“目的1”を叶えるためのもの(下のチャンク)ですから良いとしても、“目的3”と“目的2”は同時に成立させなければなりません。
このようにポジティブな目的とネガティブな目的が分離して共存するとき、「いけにえの法則」は発動されます。
後編につづく


みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
こんばんは、経営理念コンサルタントでリスクマネジメント協会 Certified Risk
Manager の秋葉です。
今夜は
「怒りで組織を統治出来るか?」
っと題しまして、トップダウン型の組織について考えてみたいと思います。
トップダウン型の組織では、トップの指示・命令が最重要意思決定要因となります。
よって、組織内の権限委譲には逆のベクトルが働きます。
発生頻度の高いリスクのうち、約8割はヒューマンエラーだと言われていますから、すべてトップの指示・命令通りに上手くいく確率は0%に近く、トップの指示・命令通りにはいかない事が発生する可能性は100%に近いと言えるでしょう。
トップの指示・命令通りに業務を遂行する事が出来る可能性が高いのは、指示・命令の内容=要求される業務が簡単な下層階級従業員であり、トップの指示・命令通りに業務を遂行する事が出来ない可能性が高いのは、指示・命令の内容=要求される業務が難しい上層階級従業員という構図が自然と見えてきます。
トップは、より期待をしている上層階級従業員が自分の指示・命令通りに動かない事の“理由”がわかりません。
トップは、あまり期待をしていない下層階級従業員が自分の指示・命令以上の働きを見せてくれる事を嬉しく思います。
すると、指示・命令通りに動かない上層階級従業員に対して
「いったい、何を考えているのか“わからない”!」
っという思いから、
「わからない」
↓
「不安」
↓
「脅威」
↓
「逃避」
↓
「攻撃」
という『アキバの動物からカリマス(借ります)理論』の連鎖反応が無意識に起こり、「逃避」する事が不可能なトップとしては、「攻撃」をしなければ気持ちが収まらなくなってしまいます。
まぁ、そこまでは「怒り≒攻撃」発生のメカニズムとして置いておきましょう。
問題は《怒りで組織を統治出来るか?》ですから、統治される側の問題です。
人は自分自身の“何のため?”に対して、“どんな方法”を“やるか?やらないか?”とし、“いつまでに?どれだけ?”を定めて行動します。
言い換えますと、人は“目的”に対して“戦術”を組み合わせて“戦略”とし、“目標”を定めて行動します。
“怒り”による統治はとても原始的で、しばしば個人の意思決定における“目的”の部分に多大な影響を与えてしまいます。
それは、“目的”=“何のため?”=「怒られないため」というエラーです。
「怒られないため」という“目的”が発生し始めると、意思決定における選択肢は「指示・命令に従う」というように、とても限定的になりますので、表面的に従業員は業務に集中しやすくなります。
しかし、裏側で起こっている現実は、
“目的1”=楽しい個人ライフを送るため
“目的2”=お金のため
“目的3”=怒られないため
と“目的”が複数に分離します。
“目的2”は“目的1”を叶えるためのもの(下のチャンク)ですから良いとしても、“目的3”と“目的2”は同時に成立させなければなりません。
このようにポジティブな目的とネガティブな目的が分離して共存するとき、「いけにえの法則」は発動されます。
後編につづく

