こんにちは、経営理念コンサルタントでリスクマネジメント協会 Certified Risk
Manager のアキバです。


今日は《 成功のための四要素 》につきまして、今年3月にお送りいたしました“理由と目的”シリーズからポイントをまとめてお送りいたします。


まず、“理由”の意味を改めてチェックしてみましょう。

“理由”を辞書で調べると、次のように書かれています。


「物事がそうなった、または物事をそう判断した根拠」



物事がそのようになる、あるいはそのように判断される前に、予め根拠があるという事です。

ちなみに根拠を辞書で調べると《物事が存在する理由》と書かれていますので、理由も根拠も判断基準の大本(おおもと)という事が出来ます。



“理由と目的“、“目標”、ついでに“戦略と戦術”、さらに“意思決定”は、普段の生活に置き換えると簡単に理解する事が出来ます。



問題1・あなたは何でそこに行くのですか?

問題2・何時までにそこに行くのですか?



たったこれだけの質問の中に、“理由と目的”、“目標”、“戦略と戦術”、“意思決定”を理解するヒントが隠されています。

それでは、まず、問題1から考えてみましょう。


問題1・あなたは何でそこに行くのですか?


さて、どれだけたくさん思い浮かびますか?

普段は全く使わないものも含めて、移動できる手段を思いつく限り総て並べてみてください。



あっ、そうそう、ネットで検索したり、本で調べたり、隣に座っていらっしゃる人に聞いたり、どんな方法を使っていただいても結構ですから、出来るだけたくさん挙げてみてください。



さぁ、いかがですか?


実はこの

《どんな方法でもいいから、たくさん挙げてみる》

っというのは、“戦術”を考える時の方法となっております。



ただし「何でそこに行く」という言葉は二つの読み方がありますよねぇ。

「なにでそこにいく」



「なんでそこにいく」

の二つの読み方です。


「なにでそこにいく?」に対する回答はたくさん考えられますが、「なんでそこにいく?」に対する回答は少ししか思い浮かばないでしょう。


突き詰めれば一つしか考えられない筈(はず)です。


「なんでそこにいく?」を別の言い方に変換すると、「何のためにそこに行く?」となりますよね。


「何のため?」をさらに別の言い方にすると“目的”になり、“理由”にもなります。


つまり、《そこに行く理由》は《そこに行く目的》があるから行くのであって、《そこに行く目的》がなければ、別のどこかに行ってもいいですし、行かなくてもいい事になります。



もう、ほとんどおわかりかも知れませんが、さらにわかりやすくするために、問題1と問題2を合わせて具体例にしてみましょう。


〔あなたは何のために、どんな方法で、何時までに、そこに行くのですか?〕


何のため⇒懐かしい親友と久しぶりに飲むため

何時までに⇒19時までに

何処(どこ)に⇒秋葉原のヨドバシの前に



何のため?=目的

いつまで?何処に?=目標



“目的と目標”は、自分自身で決める事が出来ます。

まぁ、このケースのように相手がいる場合には、お互いの都合によって調整は必要になりますが、その他の外部要因には左右されずに意思決定する事が出来ます。



ところが〔どんな方法で?〕、〔行く?or行かない?〕については、自分自身だけでは決める事が出来ません。


勿論、〔行く?行かない?〕を最終的に決めるのは自分自身でしかないのですが、他の要因も勘案(かんあん)して決める必要があるのです。



設例では、

《懐かしい親友と久しぶりに飲むために、秋葉原のヨドバシの前に19時までに行きたい》

というのが、大まかな“目的と目標”です。



それでは、

《秋葉原のヨドバシの前に19時までに行く》には、

どうすれば良いでしょうか?



しっかりと“戦略的に”お考えください。



いかがでしょう?



“戦術”(=どんな方法?)は、

《どんな方法でもいいから、たくさん挙げてみる》

っという方法で考える事が出来ます。



歩き、自転車、バイク、自動車、タクシー、バス、電車、特急、新幹線、飛行機、船、飛行船、ヘリコプター、竹馬、馬、人力車、ローラーブレード、スケボー、ホッピング、Dr.中松ジャンピングシューズ‥‥‥
‥‥etc.



ありとあらゆるものが、たくさん思い浮かんだ事でしょう。



先ほど「しっかりと“戦略的に”お考えください。」と申し上げましたので、ここで“戦略”の出番です。


“戦略”は、最も単純化すると〔やる?orやらない?〕というものですから、どの“戦術”をいつ使うのかについて決める必要があります。


そうなると“戦略的”に考えるためには、「何か不足しているものがある。」という事に氣がつくでしょう。



不足しているものは、少なくても3つはあります。




それでは仮に、《秋葉原のヨドバシの前に19時までに行く》ために

【歩き】という“戦術”を選択したとしましょう。


もし現在地が八丈島だとしたら、歩いては行けませんよね。


現在地が上野であれば歩いて行けそうですが、現在の時刻が18:50だとしたら、【歩き】という“戦術”は最適ではないでしょう。


現在地が上野で、現在時刻が18:50だとしたら、日比谷線かタクシーを選択するべきでしょう。


あっ、自家用車やバイクはダメですよ。“目的”が「飲みに行くこと」ですからね。


日比谷線かタクシーを選択するとしても、もし天候が物凄い雷雨であれば、日比谷線は停電で動かないかも知れませんし、もしかすると、行く事は出来ても帰れなくなるかも知れません。



そう、不足している3つのものとは、


・いま何時?

・いまどこ?

・天気(外部環境)はどう?


の3つの要素です。



自分自身がどのような状況下におかれているかもわからないのに、“目標”に向かって思いつきの“戦術”で動き始めてしまう事は、 “戦略的”とはいえません。


場当たり的な行動によって、たまにはラッキーがあるかも知れませんが、“戦術”を選択する基準もなければ、〔やる?やらない?〕という“戦略”の判断基準もあいまいになってしまいます。




ここまでご理解いただければ、《目的・戦略・目標・戦術》のセットがビジネスにおいて、いかに重要かおわかりいただけたかと思います。


しかも、おおざっぱな“目的”と“目標”だけの経営計画だけでは事業が上手くいかない事や、PDCAサイクル(=PLAN・計画→DO・実行→CHECK・検証→ACTION・改善)の前に現状分析・RESEARCHが必要不可欠である事までおわかりいただけたでしょう。



人間は『本人の意思決定』によってのみ〔やる?やらない?〕=“戦略”を決定します。

その『意思決定』を促すものが“目的”であり、過去の“戦略”に対する“理由”=何でそうしたのか?は


目的×外部要因(環境)=理由


によって決まります。


“目的”がなければ“理由”は発生しませんし、外部要因(環境)が全くなければ、自己の存在も無くなります。



ビジネスにおいて最も大きいチャンク(塊・階層)の“目的”が、『経営理念』です。


『経営理念』=“目的”が『お金』であれば、“戦術”としては何をやっても金儲けさえ出来れば矛盾は発生しません。

『経営理念』=“目的”が『社員満足』であっても、ひとり一人の社員における仕事に対する“目的”が『お金』であれば、“戦術”としては何をやっても金儲けさえ出来れば矛盾は発生しません。

よって、客を騙す(だます)偽装という“戦術”を採用したとしても、目先の“目的”の上では矛盾しなくなってしまうのです。



ビジネスの最大目的である『経営理念』が、お客様の“喜び”や“ありがたみ”に通じるもので、かつ社員ひとり一人の仕事に対する目的もお客様の“喜び”や“ありがたみ”に通じるものであれば、お客様がその会社から商品やサービスを購入する“目的”とも一致し、【“目的”の完全一致による統合】の状態を形成します。


(詳しくは、総括・【“目的”の完全一致による統合】〜指示通り出来ない理由と、指示がなくてもやる理由・其の六〜をご覧ください)



ビジネスにおける《目的・戦略・目標・戦術》のセットは、大きなチャンクでは次のように分類する事が出来ます。


“目的”=経営理念

“戦略”=意思決定

“目標”=経営計画、事業計画、行動計画

“戦術”=やれる事すべて



ここでよくあるパターンが、事業目的も事業目標も『お金』でしかない『お金基準の価値観』による経営です。

“目的”が『お金』であれば、ビジネスモデルや戦術や戦略に対する制約は「儲かる事」以外に何も無くなるため、形式的には経営計画を策定するものの、あまり意味のない机上の数値計画程度のものとなってしまいます。


20世紀の過度な資本主義によって『本来の価値観』を見失ってしまった人々は、『経営理念』会社の隅に飾っておくもので、利潤の最大化こそが事業を営む上での最大の目的だと信じきっていらっしゃるでしょう。

そんな方々がマネジメントクラスにどっかりと座っていらっしゃると、業績が悪くなればなるほど虚偽・偽装発生リスクが高まってしまいます。



それでも企業経営の最大目的は利潤の最大化であるとお思いの方々。


その『お金』は誰から貰え(もらえ)ますか?

その『お金』をくれる人は、当たり前のように計画通りに『お金』をくれますか?

それでは、その『お金』をくれる人があなただったら、どんな時に喜んで『お金』を払いますか?

どんな事があれば『お金』を払い続けてもいいと思いますか?


高度情報化社会が到来した21世紀の現在は、売る側の都合だけで策定した計画=“目標”と“戦術”と根性論だけで売上が上がるような世の中ではなくなっています。

『お金』を払っていただけるお客様が、商品やサービスに対して期待した以上の『本来の価値』(商品やサービスの『存在価値』+『付加価値』)を感じるからこそ、『ありがたい』っと大切な『お金』をお支払いいただけるのです。


そして、お客様が期待した以上の『付加価値』を購入した後に感じた時、だいぶ期待した以上であれば『感動』してリピーターになってくれて、もっともっと期待した以上であれば『感激』して商品やサービスの口コミにつながり、想定外にビックリするほど期待した以上であれば『感謝』して、その会社のファンとなり、ブログや口コミなど様々な方法で社外営業をしてくださるようにまでなるのです。

(詳しくは平野秀典様の『感動の億万長者 30のルール』をご覧ください。ちなみに、平野秀典様は戦争用語である“戦略”“戦術”という言葉は使いませんが・・・・)

感動の億万長者 30のルール
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お客様に《満足→感動→感激→感謝》していただける状態にあるのか否かについて、どのような“戦術”を組み合わせた“戦略”であればお客様に《満足→感動→感激→感謝》していただけるのか否かについて、しっかりと現状分析をする必要があるのです。


ですから、一般的によく使われている

Plan・計画

Do・実行

Check・検証

Action・問題解決活動

のPCDAサイクルの前に大切な“現状分析”を加えた、


Research・現状分析、調査(含むマーケティング)

Plan・計画

Do・実行

Check・検証

Improvement・改善

の《 RPDCIサイクル 》を、ぜひ経営に取り入れていただきたいと思います。



その会社、その組織、そのチームだからこそ提供する事が出来る商品やサービスの『存在価値』+『付加価値』を追求し、どんなお客様に、どのように喜んでいただきたいたいのかを、お客様にも社員やメンバーにも取引業者さんにもしっかりと伝わる言葉でまとめたものを、最大目的である『経営理念』に据えましょう。

すると『経営理念』に『共感・共鳴』した社員やメンバーが次第に増えて、やがて『経営理念』に『共感・共鳴』した社員やメンバーばかりになるでしょう。

それでようやく、【“目的”の完全一致による統合】を経営に活かす事が出来るようになります。


【“目的”の完全一致による統合】を経営に活かす事が出来るようになれば、社員やメンバーひとり一人の意思決定の基軸と、経営上の意思決定の基軸が、『経営理念』として統合されるため、ひとり一人が自立して、お互いに支援しあう組織が生まれるのです。



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Research・現状分析、調査(含むマーケティング)

《目的・戦略・目標・戦術》のセットによるPlan・計画

Do・実行

Check・検証

Improvement・改善

【“目的”の完全一致による統合】


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そのビジネスに携わる全ての人々が、共に目標を達成し、『お金基準の価値観』ではなく『本来の価値観』による真の豊かさを手に入れるために、是非、《 成功のための四要素 》《 RPDCIサイクル 》をお試しくださいませ。


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