こんばんは、経営理念コンサルタントでリスクマネジメント協会 Certified Risk
Manager の秋葉です。


流石に冬らしく寒い日が続いていますねぇ。


寒いといえば、日本経済もデフレによって冷え込んでおります。


「先立つものが目減りしてきてるんだから、仕方ないでしょ。」

っとおっしゃる方々もたくさんいらっしゃるでしょうけれども、私は“価値観”にデフレ要因が潜んでいると考えております。


「そんな!価値観なんて人それぞれなんだから、他人にとやかく言われたくないよ!」

っとおっしゃる方もいらっしゃるかも知れません。

確かに趣味・嗜好レベルの価値観では十人十色、いろんな価値観があるからこそ面白いのですが、ここでいう価値観は、もっと大きなチャンクの根本的な価値観です。



あなたは、ニュースの特番やちょっとした経済番組等で、こんな表現を耳にした事はありませんか?


「価格よりも味にこだわった結果が、成功に結び付いたんですね。」

「そこで、〇〇社が採ったのは、価格よりも品質を重視する戦略です。」


なぁ〜んていうフレーズです。


有名な評論家の方や、有名なコメンテーターの方、有名な解説者の方がおっしゃるので、納得して聞いてしまう方々もたくさんいらっしゃるでしょう。



それでは、基本に戻ってみましょう。


〈モノの価格は、どのようにして決まりますか?〉

もうちょっと簡単に言い換えましょう。

〈あなたは、どんな食べ物だったら高いお金を払えますか?〉


仮に

牛肉A・超高級和牛の切り落とし

牛肉B・輸入牛肉のバラ

牛肉C・輸入牛肉の格安切り落とし

があったとします。

(あっ、お分かりかも知れませんが[切り落とし]とか[バラ]は精肉の部位です。念のため。)



それぞれの牛肉で、

・牛のしぐれ煮

をこしらえていただいたとします。



こしらえていただくのは、


1.ローコストの海外工場

2.国内のコンビニ弁当工場

3.仕出し弁当屋さん

4.高級料亭の料理長さん

です。



牛肉Cを使って、ローコストの海外工場でこしらえていただいたら、安いのは当たり前ですね。

逆に牛肉Aを使って、料理長さんにこしらえていただいたら、高そうですが、「“切り落とし”なので少しは安くなるかなぁ?」っと期待したりして。



ところが、デフレを助長する価値観が強い人は、

まず先に「安さ」

を考えてしまいます。


「安く作るためには、牛肉Cを使ってローコストの海外工場で作ればいい。」

「高く見せるためには、高級料亭の料理長に監修してもらったらいい。」


これが、味や品質よりも価格を重視した戦略です。



まぁ、そこから努力して牛肉Bを使えるようにするかも知れませんが、そもそものスタートが“値段”となっています。




でも、消費者サイドの“気持ち”って、違いますよねぇ。


「せっかくだから、いい肉を食べたいっ!」

「こんな世の中だから、安心・安全な食品を食べたい。」

そして、

『美味しいものを、安くいただきたい!』

って思いますよねぇ。



『お金基準の価値観』が一般的になってしまい、評論家やコメンテーター、解説者の方々まで

〈【価格】よりも味にこだわった‥‥‥〉

とか、

〈【価格】よりも品質を重視‥‥‥〉

なぁ〜んて、平気でおっしゃる世の中になってしまいましたが、『本来の価値観』では商品やサービスの『存在価値』と『付加価値』が【価格】を決める要素です。


世の中には、“安くてボリューム満点”を望む人ばかりではありませんよね。

安全性を最重視する人や、ブランドを最重視する人、好きな味を最重視する人、みんなに人気があるものを最重視する人、見た目の美しさを最重視する人、様々いらっしゃいますよね。



それこそが、人それぞれの価値観。



【価格】で競合他社と戦うのは、

・既にその価格帯を望んでいると想定されるお客様層をターゲットと決めている

・既にその価格帯で商品やサービスを提供する事が出来る実力がある

・既に成熟期を迎えた商品


の場合くらいです。


まず【価格】ありき的な発想は、なし崩し的に『本来の価値』=『存在価値』+『付加価値』を低下もしくは劣化させてしまう恐れがあります。


特に競合他社の【価格】と比較して低価格路線を進んでしまうと、『本来の価値』に対して“手抜き”や“諦め”が発生します。


お客様がこだわる十人十色、人それぞれの価値観を、画一的な規格に押し込み、低価格路線を突き進むとどうなるでしょうか?



答えは単純明快。


《《《 欲しいモノが無くなる 》》》

です。



しかも、大切な商品やサービスを説明する能力まで、同時に失われて行きます。


すると、気づいた時には売れる商品やサービスも無ければ、売る力まで無くなってしまっているのです。



さらに、今度はプライベートで、そんなマインドが冷え込んだ人々が、その人の価値観で、

「そんなモノ無駄だから、買わない方がいいんじゃない?」

なぁ〜んて助言をしたりしたら、消費マインドが冷え込んでいない人にまで悪影響を及ぼします。



例えば、

「スポーツクラブにお金を掛けるのは無駄だと思うんだよねぇ。ジョギングとか腹筋、腕立て伏せで十分でしょう。」

なぁ〜んていうのは、正に自分の価値観を他人に押し付けている事になります。



まぁ、確かにお金が無い上に借金の返済も大変な人に対してだったら、正しい助言でしょうけど。




『お金基準の価値観』が強く、大切なエモーションを忘れてしまうと、デフレを助長する価値観になってしまいます。


しかも、幼少期から他者比較の中で生きてきた人々は、単純明快に比較する事が出来る【価格】に注目しやすいのです。




そうならないためには、DESIREやエモーションを大切にして、他人の価値観を認める事です。



そして、他人の価値観に興味を持ち、その価値を提供する努力をする事です。





“デフレを助長する価値観”


もう一度、さらにもう一度、お考えくださいませ。




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