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こんにちは、経営理念コンサルタント、認定支援機関、金融内部監査士、リスクマネジメント協会 Certified Risk Manager、企業健康アドバイザー のアキバです。

本日は「新・いじめと悪口の原因」と題しまして、混沌とした今の社会に楔を打ち込みたいと思います。

突然ですが、交流分析をご存知ですか?

交流分析における自分のスタンスとして、自己と他者を肯定するか?はたまた否定するのか?その組み合わせで見る方法がございます。

赤ちゃんに自我が芽生え、それからしばらく続くのが

I'm OK. You're Not OK.

自己肯定+他者否定

の状態です。

「ぼくを見て」「わたしを見て」
「ぼくを認めて」「わたしを認めて」

I’m OK. つまり、弱いながらも自尊心を保つため、自分を保つため、バランスを保つために、自分をよく見せたい(魅せたい)思いが自然と強くなるんですね。

自分の事をわかって欲しい、裏を返せば承認欲求。

負けず嫌いで負けたくないけど強くもない(優れていない)、その劣等感が自尊心のバランスを崩してしまうため、他に勝てる相手を見つけようとする。

初めはそんな小さなバランスの崩れから、他者否定が生まれ、その否定がやがて攻撃となって表れてしまうのです。

実力が伴わないと認めてもらえない。

認めてもらうために他者否定により、他人と自分に序列を作ろうとする。

本来の動物的な意味ではなく、最近人間に使われている『 マウンティング 』という言葉の意味も同様ですね。

序列の価値観により、自分を優位に見せる(魅せる)事により、自らの承認欲求を満たすようになる、実力を身につけ、自分を磨く事よりも承認欲求を満たす事の方が優先されてしまうのは、マズローの五段階の欲求から考えても明らかです。

ですので、他者否定・他者攻撃は精神的に幼い人ほど発生しやすく、精神的に弱いからこそ、もっと弱い相手を否定・攻撃の対象として選んでしまうようになるのですね。

それが、悪口や陰口となり、いじめとなり、ハラスメントと発展してしまいます。

また、コミュニケーションの希薄化もいじめや悪口に繋がります。
以前、いじめ発生のメカニズム〜動物からカリマス理論からのアプローチでも書かせて頂きましたが、人は「わからないモノゴト」に対して不安を抱き、その不安を自分から遠避けたいがために攻撃をし始める事があります。

『 あいつは何を考えているかわからない 』
『 自分の事をどう思われているのかわからない 』

そんな小さな不安がコミュニケーション不足によって増大し、自ら脅威として感じるようになります。

その脅威が自分自身に近づかないように逃げる事が出来れば良いのですが、相手と自分は同じ学校、同じ会社、同じマンション、ご近所さんなど、どうしても同じコミュニティー内に居なければならない場合には逃げる事が出来ません。

となりますと、「 窮鼠猫を噛む 」同様、本能的に相手を攻撃するようになってしまうのです。

この動物からカリマス理論からのアプローチにおいても、普段から大人しい人や口答えしたり反発してこないような人の方が、コミュニケーション不足から「わからない」という不安が発生しやすいため、いじめや悪口の対象になってしまう事が多いのです。

相手を攻撃する事による「不安解消」は、マズローの欲求五段階説にあてはめれば、安定や安全な状態を得ようとする「安全の欲求」に近いもの。

低位の欲求ほど自然に強く表れるのがマズローの欲求五段階説ですから、精神的に幼い人ほどいじめや悪口といった行動に出てしまうのを抑える事は難しいとも言えますね。


交流分析における成長過程では、リスペクト=尊敬する他社が現れ、尊敬する他者が増えて参りますと、You're Not OK. の Not が取れて、You're OK. の状態、他者肯定の状態となります。

このステージにおいて、他者の実力に感心したり尊敬しつつ、自分自身を振り返った時に自分の実力の無さや不甲斐なさに気づきますと、一旦、

I'm Not OK. You're OK.

自己否定+他者肯定

のステージに至ります。

その後、マズローの欲求五段階説でいう最高位の「 自己実現の欲求 」を満たすために切磋琢磨、日々精進、努力と経験を積み重ねる事によって、本物の自信が身につき、交流分析でいうところのトップステージ、

I'm OK. You're OK.

自己肯定+他者肯定

のステージに至ります。

ですから、実力の伴わない他者を認められない人が根拠のない自信を持ってしまいますと、それもまた危険なものと言えます。

極々少ないメンターを崇めてはいるものの、他者を認める事が出来ない状態では、自分と考えの似通った者だけで集団を作ります。

You're Not OK. の意識が強い場合には、極々少ないメンターは尊敬するものの、他の人については序列の価値観で自分の方が上だとマウンティングを仕掛けて来ます。

そんな状態で『 根拠のない自信 』を持ってしまいますと、「 自己実現の欲求 」を満たすための切磋琢磨、日々精進、努力と経験を積み重ねる事を怠ってしまう場合もあります。

「 自己実現の欲求 」を満たすための切磋琢磨、日々精進、努力と経験を積み重ねる事は、自分自身の精神を鍛え、I'm OK. You're OK.=自己肯定+他者肯定のステージに押し上げてくれます。

ところが、I'm OK. You're Not OK.=自己肯定+他者否定、序列の価値観で自分だけを認めて欲しいという幼い承認欲求を持ったまま、『 根拠のない自信 』を持ってしまいますと、結局のところ敵を見つけて悪口やいじめ、ハラスメントによって自分の地位を確立しよう、自尊心を保とうという行動から抜け出せなくなってしまいます。

弱いながらも自尊心を保とうとする無意識の気持は腐ったプライドとなり、自らの成長を阻害します。

そこに群集の心理が加わったサンプルは、国会という場所でも良く見受けられますね。

心技体、切磋琢磨、日々精進、努力と経験を積み重ねる事は、自分自身の精神を鍛え、I'm OK. You're OK.=自己肯定+他者肯定のステージに押し上げてくれます。

悪口やいじめ、ハラスメントの発生原因を理解し、悪口やいじめ、ハラスメントのない社会を実現させたいですね。