経費削減は、ホントに効果的なの?
こんばんは、経営理念コンサルタントでリスクマネジメント協会 Certified Risk Manager のアキバです。お暑うございます。
今宵は「経費削減は、ホントに効果的なの?」っという、素朴な疑問をズバッと斬っちゃいましょう。
あっ、ちょいと計算しますので、紙と鉛筆をご用意くださいませ。
まずは【 現状 】から。
商品1つあたりの単価 = 30万円
商品1つあたりのコスト = 20万円
商品1つあたりの粗利 = 10万円
売上数量 = 10個
人件費を含む固定費 = 80万円
だったと仮定します。
売上高 = 30万円 × 10個 = 300万円
売上原価 = 20万円 × 10個 = 200万円
粗利 = 10万円 × 10個 = 100万円
営業利益 = 粗利 − 固定費 = 100万円 − 80万円 = 20万円
と、簡単に計算する事が出来ますよね。
このとき、人件費を売上原価に配附したくなる方も多いでしょうけれども、完全歩合制でない限り固定費の方に入れてください。
売上原価は、あくまでも売上数量に完全比例するものだけを入れてみてくださいね。
ザックリとした仕組みをご理解いただくためですから、制度会計のイメージや先入観は捨てて、単純に計算してみてくださいね。
それでは、もう一度上記の“要素”をご確認くださいませ。
商品1つあたりの単価 = 30万円
商品1つあたりのコスト = 20万円
商品1つあたりの粗利 = 10万円
売上数量 = 10個
人件費を含む固定費 = 80万円
この商いの計算は言葉にすると下記のようになります。
@単価 = 1つあたりのコスト + 1つあたりの粗利
売上高 = @単価 × 売上数量
粗利 = 1つあたりの粗利 × 売上数量
売上原価 = 1つあたりのコスト × 売上数量
売上高 = 売上原価 + 粗利
粗利 = 固定費 + 営業利益
本当は絵に描くとわかりやすいのですが、今日は言葉だけでごめんなさい。
それでは、これから『 営業利益が0円となる 』ケースを4つほどお出しします。
1.固定費が上昇したケース
固定費 80万円 ⇒ 100万円
2.売上数量が減少ケース
売上数量 10個 ⇒ 8個
3.1つあたりのコストが上昇したケース
1つあたりコスト 20万円 ⇒ 22万円
4.@単価が減少したケース
@単価 30万円 ⇒ 28万円
それでは、参ります。
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1.固定費が上昇したケース
@単価 30万円 × 数量 10個 = 売上高 300万円
1つあたりコスト 20万円 × 数量 10個 = 売上原価 200万円
1つあたり粗利 10万円 × 数量 10個 = 粗利 100万円
固定費 80万円 ⇒ 100万円
粗利 100万円 − 固定費 100万円 = 営業利益 0円
固定費 100万円 ÷ 80万円 = 125%
よって、固定費が25%上昇すれば営業利益は0円
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2.売上数量が減少したケース
売上数量 10個 ⇒ 8個
@単価 30万円 × 数量 8個 = 売上高 240万円
1つあたりコスト 20万円 × 数量 8個 = 売上原価 160万円
1つあたり粗利 10万円 × 数量 8個 = 粗利 80万円
粗利 80万円 − 固定費 80万円 = 営業利益 0円
売上数量 8個 ÷ 10個 = 80%
よって、売上数量が20%減少すれば営業利益は0円
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3.1つあたりのコストが上昇したケース
@単価 30万円 × 数量 10個 = 売上高 300万円
1つあたりコスト 20万円 ⇒ 22万円
1つあたりコスト 22万円 × 数量 10個 = 売上原価 220万円
1つあたり粗利 8万円 × 数量 10個 = 粗利 80万円
粗利 80万円 − 固定費 80万円 = 営業利益 0円
1つあたりコスト 22万円 ÷ 20万円 = 110%
よって、1つあたりコストが10%上昇すれば営業利益は0円
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4.@単価が減少したケース
@単価 30万円 ⇒ 28万円
@単価 28万円 × 数量 10個 = 売上高 280万円
1つあたりコスト 30万円 × 数量 10個 = 売上原価 300万円
1つあたり粗利 8万円 × 数量 10個 = 粗利 80万円
粗利 80万円 − 固定費 80万円 = 営業利益 0円
@単価 28万円 ÷ 30万円 = 93%
よって、@単価を7%“値引き”すれば営業利益は0円
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どうですか?
「経費削減は、ホントに効果的なの?」っと思いませんか?
順番をつけると・・・・・・・・
1.固定費が25%上昇すれば営業利益は0円
2.売上数量が20%減少すれば営業利益は0円
3.1つあたりコストが10%上昇すれば営業利益は0円
4.@単価を7%“値引き”すれば営業利益は0円
簡単に言うと・・・・・
固定費が25%上下する事と・・・
売上数量が20%上下する事と・・・・
1つあたりコストが10%上下する事と・・・・・
@単価が7%上下する事が・・・・・・
このケースの上では《 一緒 》という事です。
もっと簡単に言うと・・・・・
@単価を7%上げる努力をする事と、固定費を25%削減する事が、このケースでは同じ事です。
一生懸命、固定費を25%削減しても、安い方が売れるからといって@単価を7%値引きしてしまえば、このケースでは無駄な努力となってしまいます。
どうですか?
何度か計算してみてくださいね。
単純明快。
中学生でもわかる、単純明快なこの計算方法を、しっかりと学びたい方々は、
利益が見える戦略MQ会計
著者:西 順一郎
販売元:かんき出版
発売日:2009-12-15
おすすめ度:
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西 順一郎 先生、株式会社ITSの宇野 寛 先生の『 利益が見える戦略MQ会計 』を、是非お読みくださいませ。
それでは、今宵はこの辺で。
いつもお読みいただきまして、本当にありがとうございます。