絵に描いた餅〜ある賢者と愚者のお話〜
賢者はとてもお腹が空いていた愚者もとてもお腹が空いていた
賢者は腹持ちの良い餅を食べたくなった
愚者も腹持ちの良い餅を食べたくなった
賢者は「ふっくら、こんがりと焼けた大きなお餅を、だし醤油とほんの少しのお砂糖を混ぜたタレにつけて、はふはふ言いながら食べたい」と口に出して言ってみた
愚者は黙って想像していた
賢者は「ふっくら、こんがりと焼けた大きなお餅を、だし醤油とほんの少しのお砂糖を混ぜたタレにつけて、はふはふ言いながら食べている」絵を描いてみた
愚者は「それこそ、絵に描いた餅。なんの役にも立たない」と言った
賢者は「ふっくら、こんがりと焼けた大きなお餅を、だし醤油とほんの少しのお砂糖を混ぜたタレにつけて、はふはふ言いながら食べている」絵を近くの人々に見せて回った
愚者は「それこそ、絵に描いた餅。なんの役にも立たない」と言った
賢者は「ふっくら、こんがりと焼けた大きなお餅を、だし醤油とほんの少しのお砂糖を混ぜたタレにつけて、はふはふ言いながら食べている」絵を見せながら、お腹が空いているから何か食べたいとジェスチャーをしてみた
愚者は「それこそ、絵に描いた餅。無駄な努力だ」と言った
賢者は「ふっくら、こんがりと焼けた大きなお餅を、だし醤油とほんの少しのお砂糖を混ぜたタレにつけて、はふはふ言いながら食べている」絵とジェスチャーに興味を持った人に囲まれた
愚者は負け惜しみを愚痴った
賢者は意気投合した何人かに連れられて、「ふっくら、こんがりと焼けた大きなお餅」を食べに行った
愚者は負け惜しみを言いながら「ふっくら、こんがりと焼けた大きなお餅を、だし醤油とほんの少しのお砂糖を混ぜたタレにつけて、はふはふ言いながら食べている」絵を描いてみた
賢者はお腹いっぱい「ふっくら、こんがりと焼けた大きなお餅」を食べさせてもらった
愚者が「ふっくら、こんがりと焼けた大きなお餅を、だし醤油とほんの少しのお砂糖を混ぜたタレにつけて、はふはふ言いながら食べている」絵を描き終わると、周りには何人も同じような絵を持っている人がいた
賢者は満腹だった
愚者は空しかった
絵に描いた餅〜ある賢者と愚者のお話〜
完