多数決の弊害
こんばんは、アキバです。寒い日が続きましたが、今日は暖かかったですね。
寒暖の差が激しくなると体調を崩しやすくなりますし、乾燥により風邪をひきやすくなっていたり、ノロウィルスも流行っているようですから、自分自身のリスクマネジメントも忘れずに実践しましょうね。
さて、みなさんの会社やマンション管理組合などでは、何かを決める際に《多数決》を用いる事は多いですか?
管理組合や議会ではごくごく普通に用いられる《多数決》ですが、実はよく弊害が発生します。
今夜は、その《多数決》の弊害と弊害を避けるために必要な事を考えてみましょう。
まずは、どんな弊害が発生するかですが、会議での発言は苦手だけれども、センスが良く的確な考えを持っている人の意見を吸い上げる事が出来なかったり、本当は経営理念から考えるとA案の方が望ましくても、派閥などの圧力によりB案が採択されてしまうといった弊害が考えられます。
会社でも、管理組合でも、国会や市議会でもそうですが、会議や議会の参加者がしっかりと共通の理念や意志を持っていない場合には、心理的に《自分自身にメリットがある》意見に賛成しがちです。
『お金基準の価値観』や『序列の価値観』により、長い物に巻かれる形で賛成票を投じたり、出来るだけ自分に責任や実作業が降りかからないような意見を選んだりしてしまいます。
ですから、今の国会のように「我が党のために」とか「政権交代」ばかり言っている議員の先生方が増えてしまうと、「国民のための政治」や「世界平和のための政治」や「地球環境を守り抜くための政治」が疎かになってしまうのです。
組織やチーム、会社においても同じです。
「我が社のために」とか「競合他社に勝つために」という考え方が先に立ってしまうと、「大切なお客様のための仕事」について考えるよりも、競合他社に勝つ事や自社の売上や利益の事ばかりを考えるようになってしまいます。
そこに《自分自身にメリットがある》=昇進や昇給への影響力が強い上司の意見があれば、特に深く考える事もなく賛成するようになってしまいます。
つまり、上司としては部下にも考えさせた上で《多数決》により決定しているつもりでも、実際には一部の社員しか会議に参加して(考えたり意見を述べて)いないも同然な状態になってしまうのです。
そんな状態では、会議の時間分の人件費は無駄になりますし、社員やメンバーも育ちません。
ブレインストーミングやワークアウト(付箋紙に参加者全員でどんどん書き込んで意見をまとめる手法)においても、《多数決》同様、似通ったものが多い意見ばかりが注目されやすく、多くの意見やプランからキラリと光る意見やプランを抽出する事が案外難しかったりします。
そこで大切なのが、『経営理念』や『意志』の浸透と、それを実践する事が出来るリーダーの存在です。
組織やチームにおいて、トップから新人まで全員が同じレベルで『経営理念』に対する思い入れを持っていれば良いのですが、そんな理想的な組織やチームはほぼ存在していないと思っていいでしょう。
トップが一人で『経営理念』を組織やチーム全体に浸透させようとしても限界があります。
ですから、管理職者(リーダー)は社員やメンバーの『意志』が間違った方向に向いていないかを管理し、正しい方向へと導いてあげる必要があるのです。
管理職とは、お金の管理や部下の行動管理をする事が仕事なのではありません。
行動管理なんていうものは、自らが能動的・自発的に行うものです。
管理職者は、部下の『意志』が間違った方向に向いていないかをチェックするために、部下の行動計画と行動実績のズレを確認するのです。
そうして『経営理念』や『意志』が浸透した組織やチームが生まれれば、社員やメンバーひとり一人が同じ《最も大切な事》に『心・気持ち・情熱』を込めて会議に参加するようになり、結果として《多数決》にも、その『心・気持ち・情熱』がこもった一票を投じるようになりますし、ブレインストーミングやワークアウトでもキラリと光る少数意見をピックアップする事が出来るようになります。
せっかくみんなで決める《多数決》ですから、間違いなく良い方向に進めるようにしたいですよね。
過去90日間に書かれた、経営理念を含む日本語のブログ記事
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