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こんにちは、経営理念コンサルタントでリスクマネジメント協会 Certified Risk
Manager の秋葉です。



いまの東日本は、

1.発災中:福島原発

2.復旧途上:津波の被害に遭ってしまった地域

3.復旧中:震災の影響により、通常の生活および業務の復旧が遅れている地域

4.復興途上:上記の地域および計画停電等の影響により、通常の生活および業務の一部に支障をきたしている地域

といったように、地域によって対処すべき課題が異なっているのが現状です。



このような状況下においては、

・それぞれの顕在化した問題の整理

・潜在的な問題の顕在化と整理

・それぞれの問題をスケジュール立てて対策を練る問題の課題化

・優先順位を十分に考慮した対策の実行

・実行した対策の効果測定と改善

  etc....っといった事が必要になりますね。



そんな本日は2009年6月にお送り致しました、〜アドバイザーに必要な四次元的傾聴力〜シリーズを1本にまとめまして、お送りしたいと思います。


アドバイザーに必要な四次元的傾聴力〜其の壱〜

わかりやすいVer.アドバイザーに必要な四次元的傾聴力〜其の弐〜

四次元的傾聴に必要なもの〜アドバイザーに必要な四次元的傾聴力・其の参〜

四次元的傾聴力を養おう〜アドバイザーに必要な四次元的傾聴力・其の四〜





《四次元的傾聴力》とは、モノゴトや論点の大小を表す“チャンク”(=塊)と時間軸を踏まえてヒアリングをする力です。


相談をされるお客様は、理路整然とお話しされる事はほとんどなく、思い付いた事から順次お話しされる事が圧倒的に多くなっています。


特に潜在的問題点のいくつかが顕在化してくると、目の前にある不安=顕在化した問題点から手っ取り早く片付けたくなります。

ご参照:アキバの動物からカリマス(借ります)理論・2nd



アドバイザーが『共依存』的にお客様の感情に流されず、自立解決に向けた的確なアドバイスをするためには、相談をされるお客様の最大目的(=何のため?)に照らし合わせて、根本的な問題点に“氣づいていただく”事が大切です。



例えば、目先のコストカットのために安易に人員削減をしてしまうと、組織全体が崩れ始める事があるように、根本的な問題点に氣づく前に、目先の顕在化した問題点に対して改善行動に移ってしまうと、目先の問題解決にはなっても中長期的には大きな悪影響を及ぼす事もあります。


そんな悪影響を避けるためには、出来る限り詳細な現状分析が必要です。



相談されるお客様に「まとめてわかりやすくお話しください。」っと切り出してしまうと、まとめ切れずにお話しいただけない事が多く発生してしまいます。


お客様がお話しいただけない情報を出来る限り少なくするためには、思い付いた事からでも、あえて出来る限りたくさんお話しいただく事が重要になってくるのです。


そして、たくさんお話しいただいた情報の中から潜在的問題点を見つけ出し、解決のための優先順位を踏まえた上で、相談されるお客様の言葉で返してさしあげる事によって、お客様は潜在的問題点と優先順位に氣づく事が出来るのです。




《四次元的傾聴力》とは、モノゴトや論点の大小を表す“チャンク”(=塊)と時間軸を踏まえてヒアリングをする力です。


チャンクの大小や難易度を計るためには、基準となるものが必要です。


また、重要度と優先順位を決めるにも、基準となるものが必要です。



さて、それらの基準となるものも知らないで、何かの数字だけでアドバイザーをしようとしている人って、結構いらっしゃいますよねぇ?



よ〜く考えたら、一般論でしかない数字を基準にして、一般的な事からブレている事を指摘していらっしゃる方。



そんなアドバイスの先にあるものは何でしょう?


おそらく、一般的な=同じような人もしくは会社でしょう。




自立型相互支援社会【ひとり一人、一社一社が自立した上で、お互いに自分らしさを遺憾無く発揮して支援しあう事により、共生(共存共栄)を果たす事が出来る理想的な社会】の創造を目指すには、《自分らしさ》を基準とする必要があります。



そこからブレてしまう事により、一般的=同じような人もしくは会社へとだんだん近づいていき、最終的には総ての活動において競合と戦い続けなければならなくなってしまいます。



その《自分らしさ》をまとめて、アピールしたり、意思決定の基準にしたり、組織をまとめる『意』『志』のよりどころにしたり、外部の方々が『共感・共鳴』してスポンサーになっていただいたり、より大きな枠組みでの共生を促すために“使えるもの”が、『経営理念』です。




会社経営における最大目的であり、意思決定の基準となるものが『経営理念』です。


『経営理念』を基準として、チャンクの大小や難易度、重要度、優先順位を整理しながら、お客様がお話しいただけない情報を出来る限り少なくするために、あえてお客様が思い付いた事から出来る限りたくさんお話しいただく事が《四次元的傾聴》です。



まぁ、簡単に言っちゃえば、まとまりのないバラバラの言葉を整理して、問題点を発見して、並べ替えるだけなんですけどねぇ。



判断基準とチャンクの大小、難易度、重要度、優先順位を整理するフレーム(枠)を持っていないと、なかなか上手く整理する事が出来ないようです。




また小さいチャンク(塊)では相反する意見や問題でも、大きなチャンクにチャンクアップしてみれば同じ方向性を持っている場合があります。

このような場合には、小さいチャンクの相反する意見や問題に優先順位をつけてあげる事によって、お客様にも同じ方向性である事に氣づいていただくようにしましょう。


例えばこんな感じです。

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〔ES(社員満足度)追求〕と〔利潤追求〕と〔CS(顧客満足度)追求〕という3つの目的があり、社内で意見が分かれていたとします。

それぞれの派閥が出来てしまって、組織力が発揮出来ない状況です。


組織をまとめて、組織力を活かし、力強い経営をしていくために、何か良い改善策はありませんか?


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確かに〔ES(社員満足度)追求〕と〔利潤追求〕と〔CS(顧客満足度)追求〕は、どれも大切な事ですね。


どれが正しく、どれが間違っているというものではないのですが、「三択問題」的な固定観念から、《勝手にひとつしか選べない》という“決めつけ”が起きてしまいます。


そして、それぞれ自分の主張を“押し付け”あってしまう事で、大切な三つの目的が分離して反発しあってしまうのです。


実は“決めつけ”と“押し付け”を取り払い、クリエイティブ、もしくは「欲張り」に選択しようとすると、大切な三つの目的を総て同時に成立させる事が可能になります。



商売を通じて最初に『お金』をくれるのは、お客様です。

ですから『お金』、つまり〔利潤追求〕を成立させるためには〔CS(顧客満足度)追求〕が不可欠であると言えます。

同様に儲かってもいない会社に〔ES(社員満足度)追求〕をしている余裕はありませんから、〔ES(社員満足度)追求〕を成立させるためには〔利潤追求〕が不可欠であると言えます。

逆に言うと、優先順位とその裏付けに氣づいてしまえば、総てを同時に成立させられる事にも氣づくのです。


よって、優先順位が

〔CS(顧客満足度)追求〕

〔利潤追求〕

〔ES(社員満足度)追求〕

である事を、経営者自身が社員やメンバーに対して、『経営理念』を通じて「熱く語る=情熱を込めて話す」事によって、問題は解決に向かうでしょう。


まぁ、使える『経営理念』が無ければ、すぐには出来ませんけどねぇ。


それから、経営者自身が『経営理念』を通じて“情熱を込めて話す”事も重要です。

アドバイザーからではなく、経営者自身の言葉で、経営者自身が“情熱を込めて話す”事により、組織の求心力は生まれます。




《四次元的傾聴力》を活かすためには、次の要素が必要です。

・『経営理念』という意思決定の基準

・チャンクの大小、難易度、重要度、優先順位を整理するフレーム(枠)

・浮かび上がった問題点を解決するための時間的な優先順位を整理するフレーム(枠)



これらの要素により、

1.傾聴した言葉を『経営理念』に照らし合わせて、チャンクの大小、難易度、重要度、優先順位に氣をつけながら整理する。

2.整理した言葉から関連性を見つけ出し、潜在的問題点に「アドバイザー」自らが氣づく。

3.氣づいた問題点を時間的な優先順位のフレームに落とし込む。

4.時間的な優先順位で整理された問題点を踏まえて、傾聴した言葉の中からポイントになるものをピックアップして、聴いたままの言葉で返す。

5.経営者が問題点に氣づかなければ、ピックアップした言葉の関連性を説明する。

6.問題点に氣づいていただけたら、解決策について検討する。

等々が出来るようになります。


フレームのイメージは、ホームセンター等で売られているカラーボックスが良いでしょう。


経営者(相談者)からの言葉をチャンクの大小、難易度、重要度、優先順位によって整理するフレームは、カラーボックスを壁に立てかけたイメージです。

チャンクの大きいものは上の棚に、チャンクの小さいものは下の棚に、重要なものは右の棚に、重要でないものは左の棚に、というように整理していきます。

特にチャンクの大きいものは上の棚に、チャンクの小さいものは下の棚に整理する事を心掛ければ、潜在的問題点に氣づきやすくなるでしょう。



次に、浮かび上がった問題点を解決するための時間的な優先順位を整理するフレームですが、こちらは床に寝かしたカラーボックスをイメージしてください。

早く解決する事が出来る問題を左手前の棚に、早く解決する必要がある問題を右手前の棚に、時間をかければ解決する事が出来る問題を左奥の棚に、時間はかかるけれども解決する必要がある問題を右奥の棚に落としていく感じです。

問題を落とし終わったら、少し離れてフレーム全体を見渡します。

問題がたくさん詰まっているところがアドバイスのポイントです。


特に「解決する必要がある」問題が多いところにスポットを当てましょう。



あとは、中長期的に取り組む課題なのか、短期的に取り組む課題なのかによって、それぞれ改善計画を策定し、RPDCIサイクルを回していけば良いでしょう。




いま、日本にある顕在化した問題、潜在的な問題は、多岐にわたっております。

執るべき手段も多岐にわたっております。

是非とも、○×の単純な発想に至らないように、よりクリエイティヴな発想によって、日本を復興に導きたいですね。




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