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こんばんは、リスクマネジメント協会 Certified Risk Manager のアキバです。


昨日、映画「ダークナイト」を観てきました。

ダークナイト



おまぬけな事に、私、最後の最後になって、やっと Dark Night ではなく、Dark Knight だった事に気付きました。

ちなみにBatmanとBadmanを間違える事はありません。



さてさて、今夜は「The Dark Knight (Batman)」に見る心理描写とリスクマネジメントについて考えてみましょう。



あっ、申し訳ございませんが、「The Dark Knight (Batman)」を観る予定のある方は、お読みにならないで下さい。

そうして頂いた方が、映画を存分に楽しめると思います。



今回、残念ながらお亡くなりになったヒース・レジャーさんが演じたジョーカーは、心理学の交流分析では《自分も他人もOKではない/拒絶・閉鎖》の究極体でしょう。

あなたが演じるゲームと脚本―交流分析で探る心のうら・おもて


《自分も他人もOKではない/拒絶・閉鎖》の人は、子供の頃に親子間で形成されるべき基本的な信頼感に大きな欠落が出来てしまい、その信頼感の欠落の影響を引きずりながら、根深い不信感や空虚感を持ってしまったり、人間関係を自ら破壊してしまったりします。

一般的には引きこもってしまったり、自殺願望に襲われる事も多いのが《自分も他人もOKではない/拒絶・閉鎖》タイプの人ですが、ジョーカーの場合には人と人との信頼関係や真の愛情など全てを否定した上で、様々な破壊的行為を楽しむ事に完全に特化して生き抜いています。

人が愛情によって起こす行動を逆手に取ったり、絶望感を感じている相手の復讐心を煽る事によって正義感の強い人間も悪の道に引きずり込んだり、心理学を悪用する究極体のような存在がThe Dark Knight におけるジョーカーです。


そのジョーカーに挑むバットマンとゴードン警部補ですが、企業のM&Aにおける善意なる第三者の如き「White Knight/光の騎士(一般的には白騎士)」として、とても正義感の強い検事のハービー・デントが加わります。

物語の背景に流れるマフィアとマネーロンダリング、マネーロンダリングに使われる香港のファンド会社、金のために自社の秘密をマスコミに流そうとする経理担当者など、『お金基準の価値観』によって崩される道徳心も巧妙に描かれている事も、「White Knight/光の騎士(一般的には白騎士)」というキーワードを後押ししているようです。


ジョーカーは巧みに心理を揺さぶる話術と的確な破壊行為でバットマンもハービー・デントも、ゴードン警部補たち警察も悪の道に引きずり込もうとします。

特に「最愛の人」に対する気持ちを手玉に取って、交流分析でいうところの『ゲーム』を仕掛ける悪の心理テクニックの連鎖は、とても恐ろしいものです。

交流分析における『ゲーム』に巻き込まれると、「怒り」「劣等感」「憎悪の念」「抑うつの気分」「恐怖」「疑い」といった感情が沸き起こります。

ジョーカーは巧みにバットマンやハービー・デントを自分の『ゲーム』に巻き込み、相手に沸き起こった『怒り』の感情を増幅させる事により、道徳心や善意を失わせようとするのです。

マフィアがはびこった犯罪率の高い街における市民は、勿論、『不安』から『群集の心理』が働き、冷静な判断力が薄れてしまっています。


こんな状況を打破するのは、やはり「真実を知ること」=『現状分析』と、『善意を貫く強い信念』です。


自分だけ良い思いをしようとする「自我」を抑え、『全体適正』を考えた上で何が最善の方法なのかを選択する事。

そのために『不安』の種である『わからない物事』を『現状分析』により明らかにして対処する。

確かにブルース・ウェイン(バットマン)とルーシャス・フォックスの『現状分析』は道徳的に問題のある領域にも入ります。

また、バットマンは最終的に問題を解決した後、街全体の『全体適正』である「治安」を優先して、ある決断をします。


この映画を通じて、私は「陰陽」「善悪」「明暗」といった表裏一体の存在の大切さを改めて知りました。


映画の中でハービー・デントが何かを決める際に常に使っているコインも表裏一体ですし、人の気持ちも表裏一体です。


表裏一体である「善悪」を、道を踏み外すことなく「善」に導くためには、「悪」も知らなければならない事を改めて認識しました。


確かに「善い事」を全うして良い世の中になれば素晴らしい事ですが、「悪い事」に目をつぶっていては「善い事」をしっかりと見極める事が出来ないのかも知れません。

「光」があって「影」があり、White Knight,Dark Knight。


あなたが演じるゲームと脚本―交流分析で探る心のうら・おもて




※すみません、物語のあらすじにも触れないように書いてみたら、とりとめのない内容になってしまいました。

ぜひ、映画をご覧頂いた上でお読み頂ければ幸いです。

ありがとうございます。


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