金で組織を統治出来るか?〜後編〜
シトシトと雨と汗みず
滴って(したたって)
梅雨の気配に
剛ももどる
こんばんは、経営理念コンサルタントでリスクマネジメント協会 Certified Risk
Manager の秋葉です。
そんな今夜も、引き続きまして、
「金で組織を統治出来るか?」
の後編をお送りいたします。
会社が利益を最優先しようとすれば、
「出来るだけ安いものを、出来るだけ高く売り続ける」
事が最も効率的だと言えます。
仕事をしても、仕事をしなくても給料をもらえる大企業の従業員は、スキルやノウハウを伸ばすよりも、労働組合を通じて労使抗争によって昇給を狙う方が楽でしょう。
あっ、すっ、すみません。
ちょいと言い過ぎました。
いずれにしても、本当にクォリティの高い商品やサービスを安く準備(仕入れや製造)したり、本当にとっても便利な機能が満載の商品を簡単にわかりやすく丁寧に説明するためには、
「これでもかぁ〜、これでもか」
「これでもかぁ〜、これでもか」
っと、相当な努力が必要になります。
ですから『お金』を最大目的にして手っ取り早く金儲けをしようとすると、
“安いものを”
“高く見せつけて”
“売りつ続ける”
そう、“偽装”問題が発生しやすいのです。
あなたは、食肉加工会社のミー〇〇ープ社の社長が、偽装発覚後の記者会見で
「安いものばかり求める消費者だって悪い!」
っと言い放ったのを覚えていらっしゃいますか?
船場○兆の女将さんが、一生懸命言い訳を耳打ちして謝罪会見を行った後に、懲りずに残り物の料理を使いまわしていましたよね。
日本における現在の不況のきっかけとも言える“耐震偽装問題”に関わった様々な人々にしても、当の本人達はまったく「悪気」を感じられなくなってしまっていたのでしょう。
迅速(手っ取り早く)かつ、効率的に(楽に)、利益を確保(金儲け)する事を最優先すると、必ず「善悪」「道徳心と欲・エゴ」「まごころと下心」「自己と自我」の問題にぶつかってしまいます。
会社<出来れば高く売りたい>←→<出来れば安く買いたい>お客様
会社<内部留保を確保したい>←→<高い役員報酬を得たい>経営者
経営者<安い人件費で人材を確保したい>←→<高い給与・賞与を得たい>従業員
従業員A<高い給与・賞与を得たい>←→<いやいや、俺の方が高い給与・賞与を得る権利がある>従業員B
という相反する矛盾を《本音と建前》という分離した状態で両立させようとするために、一生懸命手に入れた『お金』を使って《思想教育》などを改めて受けるのです。
でも、《思想教育》を受けたからと言って従業員ひとり一人の《本音と建前》が矛盾せずに統合される訳ではないでしょう。
ですから、『お金』を目的にする前に、《誰のために、何をするか?》を目的にする事が必要なのです。
ご参考:意思決定の基準と意志管理〜其の参〜