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こんばんは、アキバです。


《『経営理念』を機軸とする理由》第四夜目の今夜は、〜其の四・『経営理念』とリスクマネジメント〜をお送りいたします。


まずは、『経営理念』の前提条件です。
『経営理念』は、その組織やチームだからこそ提供する事が出来る『本来の価値』=商品やサービスの『存在価値+付加価値』を提供し続ける事を宣言するものです。
『ミッション=使命』は、お客様にどのような『気持ちや感情、状態』になっていただくために、お客様に対して『経営理念』に基づいた活動をするのかを宣言するものです。

あっ、すみません。
〜其の壱〜の巻きから〜其の参〜の巻まで間違って書いていた部分に気づきました。

『ミッション』は「宣言するもの」ではなく、実行するものです。
「宣言する」だけでは「有言不実行」で、一番悪い状態になってしまいますね。


『経営理念』と『ミッション』に分けるのが面倒であれは、『経営理念』にまとめて表現しても結構です。


難しく考えてしまう方や、崇高なものをイメージして固くなってしまう方は、お客様に商品やサービスを提供し続ける事自体が『社会貢献』であるとイメージして下さい。

実際、本業が『社会貢献』でなければ、儲けたお金で寄付や募金活動をするか、就業時間外にボランティア活動をする組織やチームである事を宣言することになります。

それでは「いい人」達かも知れませんが、お客様自身が直接メリットを感じる事は少なくなるでしょう。



さて、それでは『経営理念』から、どうリスクマネジメントにつながるのかを考えてみましょう。


『経営理念』により、その組織やチームだからこそ提供する事が出来る『本来の価値』=商品やサービスの『存在価値+付加価値』を提供し続ける事を宣言しています。


狭義のリスクで捉えると、なんらかの損害が発生するようなマイナスのリスクが想定されます。

商品やサービスの『存在価値+付加価値』を提供し続ける事に支障をきたすと思われる全ての事象が潜在的リスクです。


その組織やチームに所属している社員やメンバーが『経営理念』に『共感・共鳴』して、本気で仕事に取り組んでいれば、商品やサービスの『存在価値+付加価値』を提供し続ける事に支障をきたす事象は未然に想定し、発生を抑制するように業務を改善したり、発生してしまった場合に「誰が・いつまでに・どうやって」事業を継続出来るように復旧するのかを具体的に計画(BCP・事業継続計画)したり、発生頻度が高く資金的なダメージも大きいリスクをはらんだ業務については撤退や外注を検討・実行したり、発生頻度は低いものの資金的なダメージが大きいリスクに対しては、保険等を使ってリスクファイナンスしたり、自発的・能動的にリスクマネジメントに取り組むでしょう。

商品やサービスの『存在価値+付加価値』を提供し続けたいと本気で思っている社員やメンバーですから、少なくともリスクマネジメントが必要だとは思っている筈です。

リスクマネジメントに一番大切なのは、リスクマネジメントのプロにお願いする事ではなく、組織やチームの内側から自発的・能動的に取り組む姿勢です。

潜在的リスクは自らの組織に潜んだ問題点ですから、抑制したり、防止するのは他人ではなく自分達です。

『経営理念』を機軸としていれば、リスクマネジメントに自発的・能動的に取り組むようになります。



広義のリスクには、投資リスクと同様のビジネスリスクが含まれます。
投下した資金がプラスにもマイナスにも振れるのがビジネスリスクです。

ビジネスリスクについても、『経営理念』を機軸としていれば、積極的に取り組むようになります。

商品やサービスの『存在価値+付加価値』を提供し続ける事において、『利益』とは提供し続けるために必要な対価となりますので、売上高だけ伸ばして忙しい割には『利益』が残らないなんていう事も未然に防止出来るようになります。

既存の産業等においては「そんな事言ったって、うちの業種は利益なんて乗せられないよ!」っという声も聞こえてきます。

「うちも同じで、利益なんて、そんな言葉で言うのは簡単だろうけど、実際にはほとんど利益なんて上げられないよ〜!」っとおっしゃる方、『経営理念』は、その組織やチームだからこそ提供する事が出来る『本来の価値』=商品やサービスの『存在価値+付加価値』を提供し続ける事を宣言するものです。

あなたの会社が提供商品やサービスは、あなたの会社だからこそ提供する事が出来るものですか?

他社でも提供する事が出来るものであれば、コストを抑えられる会社の商品やサービスの方がお得になりますから、お客様の方を見るよりも競合他社を見て仕事をするようになります。

競合他社を見て仕事していれば、『経営理念』も《常に業界No.1を走り続け、社会に貢献する企業を目指します。》なんていうものに変化してくるでしょう。

そうなってしまうと、お客様には響かなくなってしまいますね。
確かに業界No.1であれば信頼性や安心感を感じてもらえるお客様もいらっしゃるかも知れませんが、「何がNo.1なのか?」「自分にどんなメリットがありそうなのか?」わかりません。


その組織やチームだからこそ提供する事が出来る『本来の価値』=商品やサービスの『存在価値+付加価値』を提供し続ける事を宣言した『経営理念』を機軸としていれば、いつの間にか競合他社相手に仕事をしていたなんて事もなくなり、事業を継続し続けるための『利益計画』もしっかり立てられるようになるでしょう。


また、『お金基準の価値観』で儲けてやろうと思って『利益計画』を立てると、別のマイナスリスクが発生します。
『利益』をより多くしようとした時に『本来の価値観』の『経営理念』が欠落していると、お客様は二の次、三の次で、コストカットをしたり、需要があるものは不当に高い価格で提供するようになります。

それが今年の流行語(大賞じゃないですが‥‥)となった『偽装』という問題です。
(今年を漢字一文字で表すと『偽』でしょうか)
耐震偽装から耐火偽装へと続き、今年の食品偽装は数え切れないほどとなってしまいました。

確かに賞味期限自体にも問題はあるでしょう。
まだまだ十分に食べられるものを、賞味期限が来たから捨てるというのは、本当にもったいない話です。世界には食料不足で大変な思いをしながら必死に生きている人達もたくさんいるのです。
「美味しく食べられる基準」である筈の賞味期限と、料理の材料としての使用期限は、別途明確に定めて公表すべきでしょう。

それにしても、様々な偽装をする組織やチームは、お客様に商品やサービスの『存在価値+付加価値』を提供し続けるために事業を営んでいるのではなく、表面上は「お客様本位」らしくしていても結局は『金儲け』のために事業を営んでいるのです。

利潤を追求する事こそが事業を営む上での最大の目的であると、学生時代から何度も聞いてきました。


しかし、最も単純明快な需要供給曲線は教えてくれます。
需要者(お客様)は、供給者の思惑ではなく、最終的には勝手に値踏みをして買う・買わないを決めます。
その『決め手』となるのが、必要性があるか否かを決める『存在価値』と、感情を動かす『付加価値』です。


『金儲け』のために事業を営んでいれば、『付加価値』を偽装すればコストが掛からずに客を引っ掛けられるでしょう。
しかし、そんな『偽物の価値観』は長続きするものではありませんし、『そもそも論』として、そんな組織やチームから商品やサービスを購入したくないでしょう。


その組織やチームだからこそ提供する事が出来る『本来の価値』=商品やサービスの『存在価値+付加価値』を提供し続ける事を『経営理念』として掲げ、その『経営理念』に『共感・共鳴』した社員やメンバーが集まった組織やチームであれば、自ずと不祥事も未然に防止するようになります。


『経営理念』をもっと身近に。


《『経営理念』を機軸とする理由》第四夜目〜其の四・『経営理念』とリスクマネジメント〜の巻きでした。


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