クラフトマンシップ
こんばんは、アキバです。昨年の漢字一文字は『偽』でしたね。
中国や韓国のブランド模倣品を問題視していた足元で、生活の基本となる衣食住の部分を同じ日本国内の会社が偽装して騙していた事は、非常に悲しく、腹立たしく、恥ずべき問題です。
比べるのはおかしな話しですが、安心・安全に関わる食品や住宅の偽装は、直接的には生活に影響のないブランド品の模倣よりも、よっぽど悪い事でしょう。
中国のダンボール肉まんに「とんでもない!」と怒っていた日本人が、昨年末には「これでもか〜、これでもか〜」っと言わんばかりに偽装が発覚していきました。
東国原知事が就任直後から一生懸命守り、伝えてきた「宮崎地鶏は安心・安全です!」っという言葉が頭の中でリフレインします。
東国原知事はメーカーの立場ではありませんが、お客様に対して『美味しい』+『本物』+『安心・安全』という価値を提供したいという『心・気持ち・情熱』は伝わって来ましたね。
やはり、その組織やチームだからこそ提供する事が出来る商品やサービスの『本来の価値=存在価値+付加価値』を宣言して、それを提供し続ける事が大切ですね。
先日、ある会社に決算前検討会でお伺いした時に、その会社に脈々と流れるクラフトマンシップを感じさせていただきました。
都内某所にある袋物のメーカーさんなのですが、今では有名なあるブランドのハンドバッグが、三流ブランドとして日本に初めて入ってきた時のお話や、中国で生産していたブランドが最近になってその会社に生産をシフトし始めてきたお話など、本当は実名で詳細にお伝え出来れば他業種のメーカーさんにも参考になるような事をたくさんお聞かせいただきました。
中国で生産していたものが日本国内に一部戻って来ているのは他業種でもあるようですが、発注する側はまだまだ中国価格での発注がほとんどのようです。
ですが、その会社の場合は『クラフトマンシップ』が最優先ですから、安い仕事は受けません。
私は、その“安い仕事は受けない”ところに『クラフトマンシップ』を感じたのではなく、社長がおっしゃった“守ってきたこだわり”に『クラフトマンシップ』を感じました。
「職人というのは自分がわかってるから、つい『このくらいでいっか』なんて思ってしまいがちだけど、絶対それをやっちゃあいかん。常に100%、120%納得のいく仕事をしているからこそ、お客様から選んでいただけるんだよ。‥‥‥‥‥」
【社長談】
「あれれ?当たり前の事ですか?」なぁ〜んて思った方もいらっしゃるかもしれませんが、ついつい『このくらいでいっか』とちょこっと手抜きをしてしまう事ってありませんか?
また、自分が思う品質の『もう少し上』を常に求め続ける姿勢が、社歴50年以上、年商10億円、ちゃんと経営者をやっていらっしゃる社長から直接お聞きする事が出来たので感動したのです。
バブル後の日本企業は、戦略だとか効率化だとか、提供する価値よりも、いかに儲けるかという事ばかりを追求し過ぎたのでしょう。
それがエスカレートして、心理的に騙してでも売りまくる方法を求めたり、品質よりも利益重視の経営体質となってしまった結果が『偽』です。
その『偽』の謝罪会見でママから謝罪の台本を読んでもらう社長も現れるほど暗雲立ち込める日本社会にも、まだまだこうして歴史もあり堅実にお客様のために理念を持って頑張っている会社があるんだと実感させていただきました。
ありがとうございます。
年初からとても嬉しい限りです。
経営に一番大切なものは、戦略やマーケティングなどのテクニックではなく、『お客様に何を提供する事により、そのお客様にどうなって欲しいのか?』っという事です。
『お金基準の価値観』で金儲けが一番の目的であれば、何をしても同じです。戦略やテクニックで一時的に儲けられても、本質的な価値のない商品やサービスはお客様から選ばれ続けません。
自分だからこそ出来る事。
その組織やチームだからこそ出来る事。
『本来の価値観』=『存在価値』+『付加価値』
『経営理念』を機軸とした経営計画をしっかりと立て、本当にお客様のためになる経営を目指しましょう。
安売りはお客様のためではありません。『本来の価値』をしっかりと伝える努力をして、その価値を提供し続ける事が出来るだけの利益は必ずいただかなければなりません。
その価値を提供し続ける事が出来なければ、お客様のために組織やチームが存続し続ける事も出来なくなってしまうのです。
組織やチームが存続し続ける事が出来なければ、大切な社員やメンバーの豊かさを守る事も出来なくなってしまうのです。
だからこそ、経営計画における一番大きなチャンクである『経営理念』を社内外に浸透させる事が大切なのです。
『経営理念』は《会社の壁に貼ってあるもの》ではありません。
お客様や取引先、これから社員やメンバーになるかも知れない人に対する《自己紹介》のようなものです。
社内においては、組織が向かおうとしている方向を常に示してくれる《黄金の羅針盤》です。
そして、その《黄金の羅針盤》の示す方向に社員やメンバーを導いてあげるのがリーダーの役割であり、舵取りの責任を取るのが役員です。
最近、この一番大切な『経営理念』について、「わからなければ他社の真似をすればいい。」などと安直に教えていらっしゃる方々が目立つようになって来ました。
とても悲しい事です。
是非とも、最後までお読みいただきました皆様には、『経営理念』の大切さを実感していただきまして、平成20年不況に備えていただければと思います。
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