すべてを自分の責任とする事が、本当に成功への近道か?
歳の瀬も近づき、年内にやるべき事、やっておきたい事に追いかけられる時期となって参りました。みなさま、いかがお過ごしですか?
こんばんは、経営理念コンサルタントでリスクマネジメント協会 Certified Risk
Manager の秋葉です。
仕掛り中の仕事や、やるべき事、やっておきたい事がどんどん溜まって来ると、精神的に参ってしまう事もありますよねぇ。
仕事が溜まって精神的に参ってくると、何かのせいにしたり、他人のせいにしたくなってしまう事もあるでしょう。
そんな気持ちになった事がある方や、そんな気持ちになる事があるなぁ・・・っという方におすすめの本が、
僕の人生を変えた29通の手紙
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ご存知、Mr.メンター、福島正伸先生の「僕の人生を変えた29通の手紙」です。
「頭にきたとき 自分が悪い」
「他人を変える最もよい方法は 自分を変えること」
「「本当に自分の限界まで 努力した人はいない」
「どんな 反対者も 将来の仲間」
etc..............
メンタリングの素晴らしい考え方満載の、読書の秋におすすめの一冊です。
そうなんですが・・・・・
とても素晴らしい、おすすめの一冊ではございますが、私と致しましては、とても気をつけてお読み頂きたい一冊でもあります。
みなさまは、こちらの本をお読みになられましたでしょうか?
勝間さん、努力で幸せになれますか
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事業仕分け第2ラウンドにも登場していらっしゃいました勝間和代様と、精神科医の香山リカ様の激論本、「不安時代の幸福論」をテーマにお二人が激論バトルを繰り広げられた・・・・・失礼、バトルではなく、しっかりとディスカッションをしていらっしゃる一冊です。
この本の中でも触れられていますが、
実は、
《 『人間としての強さ』が育っていなければ非常にリスクが高い 》
っと私は考えております。
「僕の人生を変えた29通の手紙」では、同じ会社の厳しい上司も、不甲斐ない部下も登場しますが、自分自身が最も追い詰められている時に、素晴らしい仲間が近くにいる事によって救われています。
しかも、最終的には、総ての登場人物が味方とになり、ハッピーエンドを迎えるといった、ハリウッド映画的な要素を含んだ、爽快な結末の一冊です。
しかしながら、現実、今の社会として、自分自身が最も追い込まれた時に、周りを見渡して本当に味方となってもらえる人が現れるのか・・・・・・・
おそらく、香山リカ先生が危惧しているリスクとは、正しくそこに介在するものだと私は考えます。
一人の人間として、強い人間として、精神的に強靭な人間として育つような教育を受けておらず、ある意味「無菌室」で「温室」育ちの若者達が、社会に出た途端に『自己責任』を求められる。
しかも、同じような「無菌室」で「温室」育ちで、思いやりや気遣いの足りない上司の中には、
「頭にきたとき 自分が悪い」
「他人を変える最もよい方法は 自分を変えること」
「「本当に自分の限界まで 努力した人はいない」
「どんな 反対者も 将来の仲間」
っと、「僕の人生を変えた29通の手紙」からのメッセージを“受け売り”で押し付けるような人もいらっしゃるようです。
信じられる仲間もいない、足の引っ張り合い、騙し合いのような組織の中で、確かにそんな組織を変えるためには自分自身が諦めずに正しき道を示し続ける事が必要だとしても、
・立場は部下、もしくは中間管理職
・周りには味方として安心する事が出来る人はいない
・私生活でも本当に心を許せる仲間なんていない
っという方々にとっては、精神的にさらに追い込まれる結果となるでしょう。
これは、ここ数年の労災事故認定で精神的疾患を原因とした事例が多数認められ始めている事や、抑うつ症状を発症される方々が増えてきていらっしゃる事からも、明らかな事実です。
現代社会の企業活動において、メンタルヘルスをケアする必要性は、さらに高まってきております。
成功するために努力する事は、絶対に必要です。
しかし、それは、仲間に強要する事ではなく、自分自身に課すべき課題です。
強い人は自分自身を律して、苦境を一人で脱する事も出来るでしょう。
弱い人は自分自身を律しようとして、一人で悩み、自分を削り続けてしまう事もあるんです。
ましてや、地位や立場が強いだけの人から自分を律するように強要され続ければ、潰れてしまう事もあるでしょう。
間違えないで頂きたいのは、
《 メンタリング 》とは、
あくまでも自分自身を律する事によって、
周りの他人に良き影響を与え続ける事です。
それを安易に“受け売り”して、
「自分の事だと思って対処しなさい!」
っと上司が指示命令する事は、
上司としての責任を回避する結果にもなりかねないのです。
なぜなら、
「他人を変える最もよい方法は 自分を変えること」
だからです。
同じ組織やチーム内で《 メンタリング 》を実践しようとしていらっしゃる方は、くれぐれもお気をつけくださいませ。