付加価値の値踏み
こんばんは、経営理念コンサルタントでリスクマネジメント協会 Certified Risk Manager のアキバです。「デフレだ、デフレだ。」とおっしゃる方々がまだいらっしゃいますが、この先を診ますとデフレ傾向が続くのは中小零細企業(勿論、一部の優秀な会社は別ですが‥)売上とお給料ばかり‥‥‥
高価なモノでも努力して手に入れようとしなくなった消費者が増えた事と、安くてもそこそこの商品が増えた事から、デフレ傾向が続いていると言われていますが、野菜も魚も珈琲豆も小麦粉もガソリンも食用油もお弁当容器も、既に値上がりのトレンドに乗ってきています。
「売上が下がって、給料が下がって、物価が上がったんじゃあ、踏んだり蹴ったりじゃないかっ!」
っと、ご立腹のあなた。
怒りは猛毒ですよ。
冷静に、高く売れる方法を考えてみましょう。
あなたは、コンサルタントや税理士の先生等から
「もっと付加価値を高めるための戦略を考えましょう。」
なぁ〜んて言われた事がありませんか?
会計上の付加価値は、
[日銀方式]: 付加価値=経常利益+人件費+金融費用+租税公課+減価償却費
[経産省方式]: 粗付加価値=実質金融費用+当期純利益+人件費+租税公課+減価償却費
[中小企業庁方式]: 加工高(粗付加価値)=生産高−外部購入価額
[財務省方式]: 付加価値=役員報酬+従業員給料手当+福利費+動産・不動産賃借料+支払利息割引料+営業利益+租税公課
っと表される通り、お金基準の考え方です。
お金基準で考えますので、
《安いモノを高く売る》
事で、高い評価を得る事が出来ます。
そこにリスクマネジメントの観点をプラス致しますと、
《悪いモノは売らない》
という要素が加わります。
勿論、お客様に喜んで頂きたいと心から思っている人にとっては、
《安いモノを高く売る》
《悪いモノは売らない》
という2つの要素を一元化して考える事が出来るでしょう。
ですが、自分基準で物事を考え、若干、共依存の傾向がある方から観れば、
《安いモノを高く売る》
という事は、相手を騙すような感覚を持たれるかも知れません。
お客様に喜んで頂きたいと心から思っていらっしゃらない方から観れば、
《安いモノを高く売る》
のは利益向上のためには当然だと思っても、
《悪いモノは売らない》
という事を信念ではなく指示・命令として捉えなければなりません。
ですから、世の中には値下げ競争から抜け出せなくなってしまったり、虚偽・偽装によって利益を得ようとしてしまう会社やお店が後を絶たないのですねぇ。
さてさて。
それでは、高く売る方法を考えてみましょう。
少しでも高く売るためには、先ほどの2つの要素をプラスに変換する必要があります。
《悪いモノは売らない》↓
【良いモノを売る】
《安いモノを高く売る》↓
【付加価値を高めて売る】
あれれ?
また出てきましたねぇ、
【付加価値】
『お金基準の価値観』では、金額の尺度が優先されますから、原価と売価の差が大きいモノほど【付加価値】が高い事になります。
『本来の価値観』では、『存在価値』+『付加価値』が『本来の価値』となりますので、機能や色、質感、形、音色、味といった〈そのモノに付随する付加価値〉や、提供する人のサービスや気配り、心遣い、シチュエーション等の演出といった〈モノに付随しない付加価値〉が【付加価値】として評価されます。
勿論、儲け続ける事が出来るビジネスの場合には、裏を返せば同じ事なのですが、
『お金基準の価値観』では、結果として〈そのモノに付随する付加価値〉や〈モノに付随しない付加価値〉が見えてくるのに対し、
『本来の価値観』では、結果として儲けが見えて来ます。
結果として〈そのモノに付随する付加価値〉や〈モノに付随しない付加価値〉が見えてくるという事は、儲かっても儲からなくても、検証をしてからでなければ理由がわからないという事です。
結果として儲けが見えてくるという事は、儲かると想定した【付加価値】が、実際にお客様から評価されたのか?否か?が、「入って来たお金を見ればわかる」という事です。
ただし、この
《 儲かると想定した【付加価値】 》
を市場に送り出す際には、
《 値付け 》
が必要になりますよね。
必要かつ重要な《 値付け 》ですが、なかなか目利きの社員やメンバーばかりではないので、簡単ではないでしょう。
そこで本日は、社員やメンバーのみなさんが参加する事が出来て、しかも簡単に《 値付け 》の感覚を養える一つの方法をお披露目しましょう。
まずは、ご用意頂きたいものです。
・葉書の半分程度の大きさのメモ用紙・・・・・一人30枚程度
・サインペン
以上です。
お取扱商品数やサービスの種類が多い会社やお店の場合には、3つ程度の商品やサービスに、先ず絞り込んでみてください。
絞り込んだ商品やサービスを各々メモ用紙に記入して行きましょう。
書き出した商品やサービスに「修飾語」をつけるように、機能や色、質感、形、音色、味といった〈そのモノに付随する付加価値〉や、提供する人のサービスや気配り、心遣い、シチュエーション等の演出といった〈モノに付随しない付加価値〉を付け加えてみてください。
あっ、これは戦術会議と同じですから、適当なところで止めずに、出し切れるだけ書き出してくださいね。
ひと通り書き出しましたら、全く「修飾語」のついていない商品やサービスを1枚ずつ書き出してください。
すべての書き出しが終わりましたら、全く「修飾語」のついていない商品やサービスに《 値付け 》をしましょう。
通常は売価が設定されていらっしゃるでしょうから、考えなくても値段をつけられますよね。
全く「修飾語」のついていない商品やサービスの《 値付け 》が終わりましたら、機能や色、質感、形、音色、味といった〈そのモノに付随する付加価値〉や、提供する人のサービスや気配り、心遣い、シチュエーション等の演出といった〈モノに付随しない付加価値〉を付け加えた商品やサービスに《 値付け 》をして行ってください。
普段は意識をせずに行なっている事や、意識をしていてもお金に換算してみた事が無いような行動が、お客様から観ればどの程度の価値に相当するのか・・・・・
現状のデザインが当たり前だとしても、仮に女性向けのデザインや、子供向け、シニア向け、アーティスティックなデザインを加えた場合には、どの程度の価値に相当するのか・・・・・
そんな事をじっくりと考える時間を持つ事によって、値踏みの感覚が身につき、かつ、ひとつ一つの行動の大切さが身に沁みてわかるようになりますよ。
ぜひ一度、お試しくださいませ。