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こんばんは、経営理念コンサルタントのアキバです。


今朝のニュースから。

日本のGDPが世界2位から、中国に抜かれて3位に転落するというニュースが入りました。

内閣府が16日発表した10年4〜6月期の国内総生産(GDP)の速報値は、物価変動の影響を除いた『 実質GDP 』(季節調整値)が前期比0・1%増、年率換算では0・4%増となりました。



っと・・・・・


あなたは、『 実質GDP 』とか『 実質経済成長率 』を簡単に説明できますか?




今日は、そんな『 実質GDP 』と『 実質経済成長率 』のお話です。





まずは、GDPの計算方法から・・・・・


今日はわかりやすいように、在庫や輸出入等を考慮せず、1つの製品に絞って考えてみましょう。



そうですねぇ〜、それでは、薄型テレビでいってみましょう。


2005年には1インチ1万円程度であった薄型テレビですが、最近では1インチ2,500円を切るようなものも出てきています。




例えば40インチの薄型テレビでは、


40インチ×1万円=40万円

40インチ×2,500円=10万円


という事になりますね。




この価格下落が3年間で起こったとします。

わかりやすいように、売れた数は100台で統一してみましょう。



【 名目GDPの計算 】

その年の売価 × その年の販売数量 = その年の名目GDP
(在庫や輸出入等は考慮せずに、純粋に要素としてみてくださいね)

1年目:40万円 × 100台 = 4,000万円

2年目:20万円 × 100台 = 2,000万円

3年目:10万円 × 100台 = 1,000万円



【 実質GDPの計算 】

基準となる年の売価 × その年の販売数量 =その年の実質GDP
(在庫や輸出入等は考慮せずに、純粋に要素としてみてくださいね)

1年目:40万円 × 100台 = 4,000万円

2年目:40万円 × 100台 = 4,000万円

3年目:40万円 × 100台 = 4,000万円



【 GDPデフレータ 】

名目GDP ÷ 実質GDP = GDPデフレータ

1年目:4,000万円 ÷ 4,000万円 = 1.0000

2年目:2,000万円 ÷ 4,000万円 = 0.5000

3年目:1,000万円 ÷ 4,000万円 = 0.2500



【 実質GDPの計算2 】


名目GDP ÷ GDPデフレータ = 実質GDP

1年目:4,000万円 ÷ 1.0000 = 4,000万円

2年目:2,000万円 ÷ 0.5000 = 4,000万円

3年目:1,000万円 ÷ 0.2500 = 4,000万円



【 名目GDPの計算2 】

実質GDP × GDPデフレータ = 名目GDP

1年目:4,000万円 × 1.0000 = 4,000万円

2年目:4,000万円 × 0.5000 = 2,000万円

3年目:4,000万円 × 0.2500 = 1,000万円



【 実質経済成長率 】

(今年の実質GDP−昨年の実質GDP)÷昨年の実質GDP×100=○○%

(4,000万円−4,000万円)÷4,000万円×100=0%




いかがでしょうか?



単純に販売数量が同じであれば、実質経済成長率は0%で推移した事となりました。



ところが、実際は複雑に価格と数量が変化したものを総合計した、

『 金額ベース 』

の数値がGDPとなりますので、何の数量が減少し、何の数量が増加し、何の単価が上昇して、何の単価が下落したのか、全くわかりませんよね。




しかも、もっと注目して頂きたいのは、

『 金額ベース 』

に現れない

『 本来の付加価値 』

です。




2005年には1インチあたり1万円程度であった薄型テレビですが、その当時はフルハイビジョンTVが本格的に市場に出回り始めた頃で、最近のようにCELLの技術や、3D技術、4原色技術のTVなどはありませんでしたよね。




ところが、最近では

「5年前にはお金を出しても買う事が出来なかったかも知れない技術」

を搭載したものが、5年前の1/4程度の金額で手にする事が出来ますよねぇ。





『 金額ベース 』の経済成長率では現れない生活の豊かさが、

『 本来の価値 』における『 本来の付加価値 』の中に潜んでいます。






技術革新・イノベーションがなければ、たくさんのお金を積んでも手に入れる事が出来なかったと思われる技術、便利さ、格好良さが、より安く手に入ってしまうのです。


この技術革新・イノベーションは、一般的なニュースや、過去の経済学における指標には現れませんよね。





『 お金 』を価値基準として世の中を見ていると、見落としてしまう事があります。


『 本来の価値 』を価値基準として世の中を見てみると、デフレを助長する価値観でお送り致しました通り、便利さや楽しさ、美しさといったエモーショナルな価値や、その恩恵を受けた豊かさに気づく事が出来ます。




今夜はどなたにもわかりやすいように、極端に単純化したGDPの算式を用いました。




これからテレビやネットで、「実質経済成長率」や「GDP」のニュースを見聞きした時に思い出して頂き、その裏側にあるイノベーションに気づいて頂ければ幸いです。




本当の豊かさが、『 お金 』基準ではなく、人の手や頭、努力によるイノベーションの結果だという事に気づき、そのイノベーションを実現してくださった皆様への感謝の氣持ちが生まれる事でしょう。






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